ロボットや自動機械を実現する「メカトロニクス」で、人間の五感に相当するものが「センサー」です。センサには目的に応じて各種のものがあって、自動車や家電製品などにも多く使われています。
リミットスイッチ(マイクロスイッチ)
単純なセンサーで、作動するとオンまたはオフになるものです。比較的寿命が短く、作動音も聞こえますが、動作確認がしやすいのと機械的に作動するので故障はあっても誤作動の可能性は低いです。このような特長から非常用の安全センサーとしても使われています。
光電センサー
半導体などの光の強さを電流に変換する素子を使ったセンサーで寿命が長く作動音がせず非接触で対象物を傷つけたり妨害したりせず動作速度が速いです。
磁気近接センサー
磁気の変化で金属などの対象物を検知します。光電センサーと違って汚れに強く、プラスチック板などで隠しても作動します。簡単に言えば小型の金属探知機でポケットに入れた小銭などにも反応します。また、道路の下に埋めて駐車場の精算機を作動させたり、速度取り締まりに使ったりします。
圧力センサー
電子はかり、エレベーターの定員オーバー、自動ドアの検知マット、体重計などに使われている、重さによる「ひずみ」を検知して作動します。下の写真のものは変化が大きいため、タッチスイッチとしても利用可能です。
超音波センサー
人間の耳に聞こえない周波数の高い空気の振動(超音波)を発射して、対象物に反射して戻って来るまでの時間を計測することによって対象物までの距離がわかります。
車の前後のバンパーや対人ロボットに使われていて、障害物に衝突しないように制御したり注意喚起したりするのに使われます。また、手の届かない天井などまでの距離を測る電子メジャーとしても使われています。
ただし、超音波が伝搬する速さは気圧や温度によって変わり、補正しないとミリメートル単位の正確な距離はわかりません。
言わば「電子コウモリ」のようなものです。もっと複雑なものに超音波の反射によりお腹の中を画像で見られる「超音波エコー検査装置」などの応用や魚群探知機などの大掛かりなものもあります。
人感センサー(焦電センサー)
人体や熱を持つ物体が発する赤外線を感知して、人が居るかどうかや、たくさん集めて温度分布を映像で見られる「サーモグラフィー」と基本的な原理は同じです。ヘビなどの変温動物はエサになる哺乳動物が発する赤外線を検知できるので暗闇でも狩りができると言われています。
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