メカトロニクス機器で使われる各種センサーの原理について説明します。
マイクロスイッチ
マイクロスイッチは、リミットスイッチのうち超小型のものをさします。ものによって上の写真のようにレバーやローラーが付いていたりしますが、中身は金属(リン青銅が多い)の接点(コンタクト)です。
磁気近接センサー
コイルに高周波を流し、電流の変化などで近くに磁性体(鉄、ニッケル、コバルト)や非磁性金属(銅、アルミニウム、ステンレスなど)があるかどうかを検出するセンサーです。簡単にいえば小型の「金属探知機」みたいなものです。
光電センサー
光電センサーは、発光ダイオード(LED)とフォト・トランジスター(光センサ)を組み合わせたものが良く使われ、通り抜ける光をさえぎることで作動する「透過型」と、反射光を検出する「反射型」の2種類あります。
圧力センサー
圧力(重さ)により曲がった導電体の電気抵抗が変化する性質を利用したセンサーで、大昔は「ひずみゲージ」というニクロム線などの抵抗線を利用したものが使われましたが、現在では「導電性プラスチック」や「半導体」を使った高感度なものが多く使われています。
温度センサー
温度を電気信号に変換するセンサーです。使える温度や精度などで色々なセンサーがあります。
バイメタル
熱膨張率の異なる2種類の金属を貼り合わせて温度が変化すると曲がる金属板を利用したスイッチで、昔は「こたつ」や「クーラー」などの温度を一定に保つ機器で使われましたが、精度がめちゃくちゃ悪いのと、金属疲労により特性が変わったり故障したりするので現在ではほとんど使われませんが、他の温度センサーが壊れたときの最終的な安全スイッチとして使われることがあります。
サーミスター
半導体の電気抵抗が温度によって大きく変化することを利用した温度センサーで、価格が安く、高感度なので、エアコン、冷蔵庫、炊飯器、オーブン、電気毛布などの家電製品や3Dプリンターなどで良く使われます。
温度センサーIC
半導体温度センサーと補正回路を集積回路(IC)にしたもので、高感度で高精度で比較的安価なため、サーミスターの代わりに使われることも多くなりました。
熱電対(ねつでんつい)
異種の金属を接合すると、温度により微弱な電流が発生することを利用した温度センサーで、他の温度センサーと比較すると高温(1000℃程度まで)測定できることが特徴ですが、近年は温度の高い物体が発する赤外線から温度を推定する「焦電センサー」に置き換えられつつありますが、半導体は放射線に弱いので、原子力発電所などでは現在でも使われています。
焦電センサー
ある種のセラミックなどは赤外線を電圧に変換します。それを利用して人体が発する赤外線から体温を測ったり、非接触で高温の物体の温度を測ったりします。これを多く集めて温度分布を映像で見られるようにしたのが「サーモグラフィー」です。
放射線センサー
昔は放射線センサーといえば「ガイガーミュラー管」でしたが、近年では半導体を使った小型軽量のものが多くなっています。
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