「機械の電気配線」タグアーカイブ

圧着端子による配線

 圧着端子による配線はメカトロニクス機器で一番多く使われる配線方法です。修理や改造が簡単で、はんだ付け配線と違って修正による劣化も非常に少なく、信頼性も非常に高い優れた方法です。

 反面、高価な工具を必要とするとか、ネジの直径や電線の直径、絶縁スリーブの有無や色など、非常に多くの圧着端子が必要になりますので、電子工作程度の配線には向きません。

丸型圧着端子の例

 圧着端子による配線の注意点は次のようなものです。

  • 使用する電流や電圧や温度などにより適切な電線を選ぶ
  • 選んだ電線に適合する適切な圧着端子を選ぶ
  • 圧着端子に適合する圧着工具を用意する
  • 適切な圧着方法と圧着力で圧着する
  • 使用電圧や配線の種類によりO型とY型の圧着端子を使い分ける

電線を選ぶ

 電線には、耐電圧、許容電流、耐熱温度などがあり、耐電圧が足りないと漏電による感電や火災の原因になり、許容電流をオーバーすると発熱や発火の恐れがあり、耐熱温度が足りないとショートや絶縁不良による感電や火災の原因になりますので、それぞれ適切な電線を選ぶ必要があります。

電線の選び方

圧着端子を選ぶ

各種圧着端子

 圧着端子には、簡単には取り外しができないO型と簡単に取り外しできるY型があり、電圧が高いとか安全回路とか、間違えて簡単に外されては困る配線にはO型圧着端子を、信号線などの入れ替えが多く、間違えて外しても感電したりショートして壊れたりする危険性のないところにはY型圧着端子を使うと作業効率が上がります。

 また、圧着端子には絶縁スリーブの有無による分類で、ドライバーなどでショートした場合に感電や故障などの事故につながる危険な配線には絶縁スリーブ付きを、ショートしても故障につながらないプログラム・ロジック・コントローラーの入力端子などは絶縁スリーブなしの圧着端子を使い、信号名を印刷した絶縁チューブを被せるのが間違いを減らし、修理点検をしやすくするために効果的です。

 圧着端子のリングの内径は、圧着する電線の太さごとに違うものが必要です。また、圧着する際に使う圧着工具の溝も圧着する電線の太さの溝を正しく使う必要があります。

圧着工具を用意する

 圧着工具は、安価な簡易型と高価なものがあり、安価なものですと圧着が不十分になりやすいので、ラチェット付きの圧着が完了するまで圧着端子が外れない圧着工具を使うのが理想的です。

完全に圧着するまで開かないラチェット付きの圧着工具(圧着ペンチ)

 太い電線を使わない場合や、高電圧や大電流で使う圧着をせず、あまり使わない場合はカーショップやホームセンターなどで千円前後で売られている簡易型でも良いでしょう。

圧着する

 電線に圧着端子を圧着するには、まず電線を圧着端子のスリーブリングの長さよりも少し長めに剥き(むき)、撚線(よりせん)の場合は芯線がバラバラになって導通不良で火災の原因になったり、隣とショートしたりしないように芯線を時計回りにねじってから圧着端子のリングスリーブに通し、ビニール被覆を根元まで差し込んで芯線の先端がリングスリーブから少しはみ出すように、リングスリーブの中央をリングスリーブ側から圧着工具の適合する溝で挟んで圧着工具を強く握り圧着します。

圧着不良の例

  • 芯線のヒゲが飛び出していて感電や火災の原因になる
  • 芯線の長さが足りず抜けたり導通不良になったりする
  • 芯線が長すぎてネジ止め部分にまで被っている
  • リングスリーブの先端を圧着して芯線抜けの原因になる
  • リングスリーブの付け根を圧着して断線しやすくなる
  • リングスリーブに電線の被覆が密着せず感電や断線の原因になる

配線する

 1本の端子台にねじ止め可能な圧着端子の数は2本までです。1本のときはリングスリーブを上にしてねじ止めします。2本のときは圧着端子を背中合わせにして膨らまないようにねじ止めします。

学生が圧着端子を使った配線を練習した端子台

 3本以上の圧着端子を接続したい場合は、中継の端子台を経由して、2本ずつ次々と数珠繋ぎ(じゅずつなぎ)します。