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卓上スマートカーの設計製作

 このページは学生によるコピー&ペーストを防止するため、あえて文体を不統一とし、Dxなど本来は数字が入る部分を伏せてあります。

 スマートカーとは、マイクロコンピュータを搭載した「賢い」全自動の車のことです。数多くの市販品がありますが、あえて機構の設計を3D-CADのSolidworksを使って行い、メカトロニクスにふさわしいアルミニウム製のフレームに回路基板やセンサ類、ギヤードモーターを搭載して、四輪駆動で自動走行できる模型自動車を設計製作します。

仕様

  • マイクロコンピュータを搭載して自動走行できる
  • 反射光センサを左右に2個搭載して障害物を自動回避する
  • サーボモータにより旋回する超音波センサを搭載する
  • ギヤードモーターを使い機構をシンプルにする
  • 走破性能を高めるために四輪駆動とする

設計

  • 小回りが利くように可能な限り全長を小さくする
  • 簡単に壊れないようにアルミニウムでフレームを作る
  • プログラムの修正が簡単なArduinoマイコンを使う

回路

  • 時間的な制約から可能な限り完成品のモジュールを使う
  • 大きさと入手性からマイコンにはArduino nanoを使う
  • 配線をすっきりさせるためにコネクタとハーネスを使う

Arduinoのポート割当

 Arduino nanoマイコンには、デジタル入出力が12本とアナログ入力が8本のポートがありますが、それぞれ用途が決まっているので、適切に割当しなければなりません。

モータドライバ

 モータドライバには左右、制逆転の4ビットの出力が必要ですが、リチウムイオン電池が2本直列の7.4ボルトに対し、使用するモータが3ボルトなので、PWM制御による電流制限が必要になり、さらに正転と逆転のどちらでも電流制限の必要があるので、モータドライバに接続される4ビット全部がPWM出力対応である必要があるため、D3,D5,D6,D9としました。

スタートボタンおよびストップボタン

 スタートボタンおよびストップボタンはデジタル入力なので、通常であればアナログ入力ポートでも良いのですが、回路を簡単にするためにボタンを押していないときのプルアップにマイコン内部プルアップを使うことにしたので、必然的にモータドライバで使っていないデジタル入力のとごかになり、Dxにスタートボタン、Dyにストップボタンを接続することにしました。

反射光センサ

 反射光センサは2個あるので、デジタル入力が2本必要になります。光センサモジュールの出力はトーテムポールになっていて、プルアップの必要はないため、アナログ入力でも可能ですが、DvとDwに接続することにしました。

超音波センサ

 超音波センサには、超音波を発出するTrig入力と受信した超音波の存在を示すEcho出力があるため、Dt出力をTrig入力に、De入力をEcho出力に接続することにしました。

サーボモータ

 超音波センサの向きを変えるためのラジコン用サーボモータは、パルス幅で角度を制御するため、PWM出力が必要に思われますが、実際には割り込みを使用したライブラリ関数になっているため、デジタル出力であれば、どのポートでも問題ないようなので、Ds出力をサーボモータのタイミング信号として使うことにしました。

電源

  • ランニングコストを抑えるため充電式にする
  • 効率と小型軽量と入手性を考慮して16450リチウムイオン電池を使う
  • 試走を連続して可能なように電池交換可能な電池ホルダを使う

製作

  • ボール盤とフライス盤を使ってアルミニウムの角材を加工する
  • 組立は容易性と拡張性を考慮してネジ止めとする
  • 放熱する必要のあるモータドライバは放熱板が縦になるようにする

配線

  • ビニール線を余裕を持たせた長さにしワイヤーハーネスを作る
  • コネクタを使用して交換てきるようにする
  • 見た目を良くするためにワイヤーハーネスを固定する

ソフトウェア

  • 無料で入手可能でArduinoマイコンとの相性も良いArduino IDEを使う
  • 少ないメモリーで動かせ汎用性も高いC言語でプログラムを作る
  • Arduinoライブラリを使ってプログラムを簡単にする

結果

 時間の制約もあり、新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン実習になったりしたため、ソフトウェアの開発が遅れ、走行試験が思うようにできなかったが、スマートカーのフレームを含めたハードウェアとしては、まずまずのものが完成した。

 ソフトウェアは、今後の開発が待たれるが、反射光センサの判断、超音波センサの距離測定、サーボモータの旋回、モータの制御など、基本的な動作確認は済んでいるため、あとはそれを組み合わせて、自動走行のためのアルゴリズムを考え、試験走行して修正する必要があるが、基本的な動作にはそれほど時間を要しないと思われる。

考察

 近年の機械は、マイクロコンピュータあるいはプログラムロジックコントローラによる自動制御が一般的になっており、その一角を占めるマイクロコンピュータ制御を学ぶことができ、回路モジュールを組み合わせたシステム設計、電子回路をフレームに搭載する際の注意点、電気配線の注意点、マイクロコンピュータとC言語によるプログラミングなど、非常に多くのことを学ぶことができた。

 また、スケジュールや費用などの計画の重要性を肌で感じることができ、非常に有意義な設計製作となったと思う。

感想

 もともと機械や機構に興味があったので、今回の設計製作は楽しく有意義に学ぶことができた。実社会ではロボット、自動機械、自動車の自動運転、数値制御による加工機械、マイクロコンピュータと機械が融合したいわゆる「白物家電」など、今回の設計製作で学んだ技術は、少子化と新型コロナウイルスの関係、効率を高め地球温暖化を防止するのに役立つと思われる。

 卒業後は、金型設計の仕事に内定しており、制御回路やマイクロコンピュータのプログラミングに携わることは当面の間ないと思いますが、これから毎日使うことになるNC工作機の内部を少しでも知ることができて良かったです。

 最後に、私のような普通高校を卒業した機械の基礎も知らない者に、設計製図、材料力学、機械加工、2D/3D-CAD、制御回路、プログラミングまでを指導してくださった諸先生方に感謝してしめくくりとさせていただきます。

プログラム

void setup() {
pinMode(3,OUTPUT);
pinMode(5,OUTPUT);
pinMode(6,OUTPUT);
pinMode(9,OUTPUT);
pinMode(11,INPUT_PULLUP);
pinMode(12,INPUT_PULLUP);
}

int i=0, running=0;

void loop() {
if(running==0) {
digitalWrite(13,LOW);
while(digitalRead(12)!=0); // Check Start
running=-1;
digitalWrite(13,HIGH);
}
if(digitalRead(11)==0) { // Check Stop
running=0;
digitalWrite(3,0);
digitalWrite(5,0);
digitalWrite(6,0);
digitalWrite(9,0);
}

if(i>100) { //Blink LED
i=0;
} else if(i>=50) {
digitalWrite(13,LOW);
i++;
} else if(i<50) {
digitalWrite(13,HIGH);
i++;
}

if(running!=0) { //Control Motor if running
analogWrite(3,digitalRead(2)100); analogWrite(5,0); analogWrite(9,digitalRead(4)100);
analogWrite(6,0);
delay(1);
}
}

秋葉原での電子部品購入

 近年では、秋葉原の電子部品店は少なくなり、必要な部品が揃わないことも多くなりましたが、今でも頑張っている部品店があります。また、その日のうちに手に入るのも利点のひとつです。

 ここでは、私が良く利用する秋葉原の電子部品店を紹介します。なお、内容は私の主観に基くもので、内容に対する責任は負いかねます。公式ホームページなどを良くご覧になってください。

秋月電子通商

 最初は「信越電気商会」という、仕入れ先の良くわからない部品を安く売っていたのですが、徐々に品揃えを増やし、通信販売なども開始して、電子部品だけでなく工具やスイッチなどの機構部品も揃うようになりました。

 店員さんの感じも良く、価格が安いため、私が子供の頃から利用させて頂いています。40年以上前にトランジスタが100円以上していた時代に互換品を10円とかで売っていて、小学生の小遣いでも気軽に買えたお店です。

 最近は取扱商品が増えて、棚と引き出しになったので、一覧性は悪くなりました。また、新型コロナウイルス対策で営業時間が短縮されたり、入店制限の可能性もありますのでご注意ください。

千石電商

 大昔は文京区の千石に所在したらしいですが、私が物心ついた時には秋葉原にあり、良くわからないジャンク品を売っていましたが、新品の電子部品を売っていて閉店してしまったヒロセの後から普通の電子部品店に衣替えし、豊富な品揃えと、ものによっては秋月電子通商よりも安見いものもあるなど、リーズナブルで安心して買い物ができるスーパーマーケット方式のお店です。

 時々、ヘビメタ系の店員さんが居たりしますが、対応は悪くないです。秋月電子通商にはない電線やコネクターやモーターなどが充実しているため、秋月電子通商の次に良く行くお店です。

マルツパーツ館

 福井に本社があるマルツ電波の系列店で、マルツ電波はドコモショップなども運営している立派な会社です。店員さんの教育も良く、仕入ルートもしっかりしているので、学生や趣味だけでなく、企業との取引も多く、品質管理もしっかりしていて安心して大量購入できるお店です。

 品ぞろえもかなり充実していて、在庫のない商品も他の地域の店舗に在庫があれば翌日には取り寄せてくれたりしますし、通販でも当日出荷してたりしますので、スイッチやケースや工具など、先の店では手に入りにくいものを買うのに重宝させていただいています。

西川電子部品

 ねじと工具とコネクタの専門店で、以前はヒロセ無線(正確にはヒロセテクニカル)でねじとかも買えたのですが、閉店してしまい、私の知る限り秋葉原でねじを1本単位で買える唯一のお店です。

 2階はコネクターや端子台や工具などを売っており、端子台の品ぞろえが充実しています。

オヤイデ電気

 総武線のガード下のマツモトキヨシの先にある電線の専門店です。「必要なものを必要なだけ」がモットーで、ほとんどの電線をメートル単位で切り売りしてくれます。高価な電線は10cm単位で切り売りしてくれることもあります。

 ただ、店頭のサンプルと単価を良く確認してから購入しましょう。

電線の選び方と使い方

スピーカーコードの例

 電線の一番の目的は電気を安全に確実に伝えることです。具体的に言えば感電したり発火したりせずに少ない損失で電磁波の影響を受けずに電流を確実に流すのが目的です。

 ですから、基本的に電線には電気伝導率(導電率)の良い金属が使われますが、電気伝導率の最も良い金属(電気抵抗が小さい金属)は銀ですが、銀は価格が高いため、銀の次に電気伝導率の良い銅が使われることが多いです。

 銅の次に電気伝導率が良い金属は金ですが、価格が極めて高いため、電線として使われることはまずありませんが、酸化しにくいため、集積回路(IC)の内部配線などには使われることがあります。

 金の次に電気伝導率が良い金属はアルミニウムです。銅の1.5倍ほど電気伝導率が悪いですが、軽いため、大電流を流す必要があったり、またはテレビアンテナなどを軽くしたい場合に使われます。

電線の断面積と電流

 電線の電気を流す部分を芯線(しんせん)と呼びますが、芯線は断面積が大きいほど(太いほど)多くの電流を流すことができます。

 断面積が小さい電線に大電流を流すと、電線の電気抵抗により発熱量が多くなり、電気が熱になって失われる損失が多くなるばかりでなく、温度が上昇して発火したりすることもあります。

 そのため、流す電流が大きくなるにつれ、断面積が大きい(太い)電線を使わなければなりません。

裸線と被覆(ひふく)電線

 金属製の芯線だけの電線を裸線と呼びますが、機器の外部に露出する場合に裸線を使うと感電したり短絡(たんらく=ショート)したりする危険がありますので、人間が触れない場所や電圧が低くて機器の内部に隠れる場合以外は基本的にビニールやテフロン樹脂などの絶縁体(ぜつえんたい=電気を通しにくい物質)で芯線を覆い(おおい)、被覆線(ひふくせん)として使います。

 電線の被覆には、価格の安いビニール(PVC)がもっとも多く使われますが、ビニールは耐熱温度が低く溶けやすく火災の原因になることもあるため、精密機器や高温になる電気ストーブや電気コンロなどは高温に耐えられる被覆が使われることがあります。

 また、ビニールに放射線を当てると変質して固くなる性質を利用した耐熱ビニール電線も良く使われます。

単線(たんせん)と撚線(よりせん)

 電線には、芯線が1本だけの単線と、芯線が複数(ふくすう=5本,7本,9本,11本など奇数本)ある撚線(よりせん=よってある線)の2種類があります。

単線の例
撚線(よりせん)の例

 流せる電流は芯線の断面積で決まりますので、単線と撚線で何が違うかといえば、曲げやすさと断線しやすさ、配線のしやすさです。

 単線は芯線が1本だけですので、電線を接続する際に、被覆を剥いて(むいて)ねじ止めしたり、差し込んだり、はんだ付けしたりすれば済みます。

 それに対して被覆線は芯線が複数ありますので、ねじ止めしたり、差し込んだり、はんだ付けしたりする際に芯線がバラバラになり、飛び出した一部の芯線が隣の配線とショートしたり、感電の原因になったり、一部の芯線が断線して発熱量が増えたりします。

 また単線は太くなると電線というよりは金属の棒に近くなりますので、曲げにくく、何度も曲げたり戻したりすると金属疲労により断線したりします。

 そこで、普通は機器内部や壁の裏の一旦配線したら動かさない配線には作業効率が良く価格も安めの単線を、電気製品の電源コードのような曲げたり伸ばしたりする配線には、個々の芯線が細くて曲げやすく断線の可能性も低い撚線が使われることになります。

電線とケーブル

 電線は、電気製品の電源コードやスピーカーの配線などに使うコード、テレビアンテナの配線などに使われる同軸ケーブルなどのように、必ず2本以上の芯線が必要な場合があります。

ケーブルの例(シールドケーブル)

 こうした場合に、別々の電線を何本も配線したりすると、見た目が悪くなるばかりでなく、足を引っ掛けてケガをしたり、その結果感電したり、ショートしたりして大事故につながることもあります。

 そこで、必要な本数をひとまとめにして更にビニールで覆ったり、横につなげたりしたケーブルが使われることがあります。

フラットケーブルの例

 芯線が2本のものはあまりケーブルとは呼ばず、平行コードまたはツイストペア線と呼ばれる場合が多いです。

平行コードの例

同軸ケーブルとツイストペア線

 テレビのアンテナ線などに使われる同軸ケーブルは、単線の銅線(芯線)と、その周囲を覆うポリエチレンなどの被覆、そして更にその外側を包むシールド(網線)で構成され、どこで切っても金太郎の飴(あめ)のように、同じ断面を持ちますので、「同軸」と呼ばれます。

同軸ケーブル(アンテナ線)とF型コネクターの例

 外側のシールド(網線)はケーブル(伝送路=でんそうろ)の途中で電磁波の影響を受け、誤作動したり信号波形が変形したり、画面が二重三重に映ったり(ゴーストと呼ぶ現象)するのを防止するために、外部の電磁波から芯線を防御(シールド=盾=たて)の役割を果たすものです。

 ただし、シールド(網線)は接続が面倒で、ケーブルが固くなり曲げにくく、価格も高くなるので、平衡(へいこう)伝送と呼ばれるプラスとマイナスが対になって入れ替わる方式(パソコンのUSBやLANなど)では、シールドの代りに2本の電線をねじって、両方の線が同じだけ電磁波の影響を受けるようにすると、プラスとマイナスで打ち消し合って、結果的に電磁波の影響を受けにくくなるため、値段が安く、曲げやすく、接続しやすく、細くできる「ツイストペア線」が使われます。

ツイストペア線(平衡ワイヤー)の例

電気配線

 近年の機械では電気を使うのが普通で、電気配線を習得する必要があります。配線方法には、次のような方法があります。

  • はんだ付け配線
  • ねじ止め配線
  • 圧着端子配線
  • 圧接配線
  • ラッピング配線

はんだ付け配線

 はんだ付け配線は、信頼性が高く、費用が安く済みますが、高温加熱による劣化や熟練を必要とするなどの欠点もあり、修正や変更が困難なため、おもにプリント基板の配線や操作スイッチ類の配線に使われます。

はんだ付け配線

ねじ止め配線

 ねじ止め配線は、電線の被覆(ひふく)を剥いて(むいて)ねじ止めにより固定して配線する方法です。修正や変更が容易で、見た目も整然としていて信頼性も高いのですが、端子台や端子台付き部品などが不可欠で、費用が高く、大きくなりがちなので、おもに分電盤(ぶんでんばん)や制御盤(せいぎょばん)などに使われます。

ねじ止め配線

圧着端子配線

 圧着端子配線は、配線を修正したり変更したりしても電線が傷みにくいのと、電線の芯線の飛び出しなどによる隣との短絡(たんらく=ショート)や接続不良が起こりにくいため、制御盤などのメカトロニクス機器で、もっとも多く使われる配線方法です。

圧着端子配線

 しかし、工具にドライバーの他に高価な圧着工具が必要で、圧着端子もネジの直径や電線の太さなどにより様々な種類を用意しなくてはならず、電子工作程度の配線では費用も手間もかかりますが、メカトロニクスの制御盤などでは信頼性が非常に高く、修理や改造も容易なため、基本的に圧着配線をしておけば間違いありません。

圧接配線

 フラットケーブルやコネクターを使って配線する場合は、おもに圧接配線が行われます。複数ある配線をコネクターにしておけば、容易に部品やプリント基板を交換でき、現場での修理や変更が短時間でできます。

 しかし、圧着端子配線よりも更に高価な工具を必要としたり、熟練度が足りないと接触不良による動作不良を起こしたりするため、配線の本数が少ない場合は使わないほうが良いでしょう。

ラッピング配線

 以前は電話交換機と電話ケーブルを接続する際や試作品の配線に使われていましたが、デジタル交換機の普及で配線を変更しなくても電話番号を変えられるようになり、試作の際にも部品の小型化によりラッピング配線が非常に困難になってしまい、ラッピング配線部品も次々と入手が困難になったため、近年ではほとんど使われなくなりました。

ラッピング配線
ラッピング配線

圧着端子による配線

 圧着端子による配線はメカトロニクス機器で一番多く使われる配線方法です。修理や改造が簡単で、はんだ付け配線と違って修正による劣化も非常に少なく、信頼性も非常に高い優れた方法です。

 反面、高価な工具を必要とするとか、ネジの直径や電線の直径、絶縁スリーブの有無や色など、非常に多くの圧着端子が必要になりますので、電子工作程度の配線には向きません。

丸型圧着端子の例

 圧着端子による配線の注意点は次のようなものです。

  • 使用する電流や電圧や温度などにより適切な電線を選ぶ
  • 選んだ電線に適合する適切な圧着端子を選ぶ
  • 圧着端子に適合する圧着工具を用意する
  • 適切な圧着方法と圧着力で圧着する
  • 使用電圧や配線の種類によりO型とY型の圧着端子を使い分ける

電線を選ぶ

 電線には、耐電圧、許容電流、耐熱温度などがあり、耐電圧が足りないと漏電による感電や火災の原因になり、許容電流をオーバーすると発熱や発火の恐れがあり、耐熱温度が足りないとショートや絶縁不良による感電や火災の原因になりますので、それぞれ適切な電線を選ぶ必要があります。

電線の選び方

圧着端子を選ぶ

各種圧着端子

 圧着端子には、簡単には取り外しができないO型と簡単に取り外しできるY型があり、電圧が高いとか安全回路とか、間違えて簡単に外されては困る配線にはO型圧着端子を、信号線などの入れ替えが多く、間違えて外しても感電したりショートして壊れたりする危険性のないところにはY型圧着端子を使うと作業効率が上がります。

 また、圧着端子には絶縁スリーブの有無による分類で、ドライバーなどでショートした場合に感電や故障などの事故につながる危険な配線には絶縁スリーブ付きを、ショートしても故障につながらないプログラム・ロジック・コントローラーの入力端子などは絶縁スリーブなしの圧着端子を使い、信号名を印刷した絶縁チューブを被せるのが間違いを減らし、修理点検をしやすくするために効果的です。

 圧着端子のリングの内径は、圧着する電線の太さごとに違うものが必要です。また、圧着する際に使う圧着工具の溝も圧着する電線の太さの溝を正しく使う必要があります。

圧着工具を用意する

 圧着工具は、安価な簡易型と高価なものがあり、安価なものですと圧着が不十分になりやすいので、ラチェット付きの圧着が完了するまで圧着端子が外れない圧着工具を使うのが理想的です。

完全に圧着するまで開かないラチェット付きの圧着工具(圧着ペンチ)

 太い電線を使わない場合や、高電圧や大電流で使う圧着をせず、あまり使わない場合はカーショップやホームセンターなどで千円前後で売られている簡易型でも良いでしょう。

圧着する

 電線に圧着端子を圧着するには、まず電線を圧着端子のスリーブリングの長さよりも少し長めに剥き(むき)、撚線(よりせん)の場合は芯線がバラバラになって導通不良で火災の原因になったり、隣とショートしたりしないように芯線を時計回りにねじってから圧着端子のリングスリーブに通し、ビニール被覆を根元まで差し込んで芯線の先端がリングスリーブから少しはみ出すように、リングスリーブの中央をリングスリーブ側から圧着工具の適合する溝で挟んで圧着工具を強く握り圧着します。

圧着不良の例

  • 芯線のヒゲが飛び出していて感電や火災の原因になる
  • 芯線の長さが足りず抜けたり導通不良になったりする
  • 芯線が長すぎてネジ止め部分にまで被っている
  • リングスリーブの先端を圧着して芯線抜けの原因になる
  • リングスリーブの付け根を圧着して断線しやすくなる
  • リングスリーブに電線の被覆が密着せず感電や断線の原因になる

配線する

 1本の端子台にねじ止め可能な圧着端子の数は2本までです。1本のときはリングスリーブを上にしてねじ止めします。2本のときは圧着端子を背中合わせにして膨らまないようにねじ止めします。

学生が圧着端子を使った配線を練習した端子台

 3本以上の圧着端子を接続したい場合は、中継の端子台を経由して、2本ずつ次々と数珠繋ぎ(じゅずつなぎ)します。

メカトロニクス目次

 メカトロニクスは、「メカニカル」と「エレクトロニクス」を合成した和製英語で、直訳すれば、「機械の電子化」になります。メカトロニクスは「センサ」、「コントローラー」、「アクチュエータ」の3要素で構成されます。

 近年では、コントローラーにマイクロコンピューターが使われることが多く、メカトロニクスを習得するには「電子技術」や「ソフトウェア」の知識が欠かせません。

電子技術はdenshikan.com

順番に学習したい方はこちら

制御回路実習(1)

 進級おめでとうございます。これから1年間にわたって、皆さんには制御回路実習を学んでいただきます。しばらくの間、オンライン実習になりますが、気を落とさずに頑張ってください。

制御回路実習の内容

 まず、制御回路実習の内容ですが、ロボットや自動機械を動かすために必要なメカトロニクス技術の中で、特に「制御回路」について、実習を通して学んで行きます。

制御回路って何?

 ロボットや自動機械の制御回路は、「マイクロコンピューター」や「プログラム・ロジック・コントローラー」と呼ばれる制御装置が多く使われています。

マイクロコンピューターの例
プログラム・ロジック・コントローラーの例

マイクロコンピューターを使った制御回路

 マイクロコンピューターは略して「マイコン」とも呼ばれ、安いものでは百円程度、高いものでは10万円程度します。処理が速く、小型軽量で、大量生産に向きますが、プログラムを作るのが難しく、大量生産する家電製品や、高性能な制御装置を必要とするロボットや、安く作らないといけない「おもちゃ」などに使われます。また、マイクロコンピューター単体では使えず、マイクロコンピューターを中心とした回路を組まなくてはなりません。

 マイクロコンピューターを制御装置として使えるようにする回路は、試作品などでは「ユニバーサル基板」と呼ばれる材料と電子部品を使って、自分でハンダ付けして作ります。

制御回路試作品の例

 また、量産時には、「プリント基板」と呼ばれる、銅箔であらかじめ配線された基板に「自動ハンダ付け装置」などを使って電子部品をハンダ付けして組み立てます。

低価格なマイクロコンピューター(Arduino nano互換機)
マイクロコンピューターを使った制御回路の例

マイクロコンピューターを使った制御回路の開発手順

 マイクロコンピューターを使った制御回路の開発は、一般的に次のような手順で行われます。

  • マイクロコンピューターを選ぶ
  • ユニバーサル基板を使ってはんだ付けして制御回路基板を作る
  • 制御回路基板を配線する
  • マイクロコンピューターのプログラムを作る
  • 動作試験を繰り返しながらプログラムを修正する
  • (試作した回路を元にプリント基板を設計する)
  • (プリント基板に電子部品を実装する)
  • (実装済プリント基板にプログラムを書き込む)
  • (プログラムを書き込んだ制御回路基板を検査する)
  • (制御回路基板を機械に組み込んで配線する)
  • (制御回路基板を組み込んだ機械を検査する)

 かっこ付きの手順は、「電子機器」の知識と技術が必要なため、機械技術者が直接実施することは少ないです。

プログラム・ロジック・コントローラーを使った制御回路

プログラム・ロジック・コントローラーを使った制御回路の例

 プログラム・ロジック・コントローラーを使った制御回路の開発はマイクロコンピューターよりもずっと簡単です。プログラム・ロジック・コントローラーにはマイクロコンピューターが使われているのですが、プリント基板の実装や内部の配線は既に済んでいます。

プログラム・ロジック・コントローラーの内部(中段の基板がマイクロコンピューター)

 そこで、プログラム・ロジック・コントローラーを使って機械の制御装置を作る手順は次のようになります。

  • プログラム・ロジック・コントローラーを選ぶ
  • プログラム・ロジック・コントローラーを取り付ける
  • プログラム・ロジック・コントローラーを配線する
  • プログラム・ロジック・コントローラーにプログラムを書き込む

 これで、プログラム・ロジック・コントローラーを使った制御装置は開発できてしまいます。しかも、プログラム・ロジック・コントローラーのプログラム開発はマイクロコンピューターのプログラム開発よりも、ずっと簡単に作ることができます。

マイクロコンピューターのプログラム開発の例

 マイクロコンピューターのプログラムは近年ではC言語と呼ばれるプログラムの書き方の決まりを守って作ります。そのプログラムを本格的に作れるようになるには、コンピューター専門学校などに2年ほど通って、やっとできるようになります。ただし、C言語プログラムを本格的に作れれば、パソコンやスマートフォンのアプリなども作れますし、少し勉強すればGoogleが提供しているようなサービスを自分で始めることもできます。

C言語によるプログラムの例

プログラム・ロジック・コントローラーのプログラムの例

 プログラム・ロジック・コントローラーのプログラムはマイクロコンピューターのプログラムよりもずっと簡単で、パソコンソフトで4つほどのアイコンをクリックして数字を入力し、線で結ぶだけです。

プログラム・ロジック・コントローラーのプログラムの例

 このようにプログラム・ロジック・コントローラー(PLC)は簡単に使えるため、正確に調査したわけではありませんが、ロボットや自動機械の90%以上はプログラム・ロジック・コントローラーが使われていると思います。

制御回路実習の今後の流れ

 制御回路は、このようにマイクロコンピューター(マイコン)またはPLCを使って実現できますが、実際に制御回路を作れるようになるためには、他にも知っておかないといけない知識や技術があります。

 制御回路実習では、次のような制御回路を作れるようになるために必要な知識と技術を実習(しばらくは出来ないかも知れませんが)を通して身に付けていただく予定です。

  • 電気の基本を学ぶ(電圧、電流、電力、周波数、テスターの使い方など)
  • 制御回路で動かす「アクチュエーター」を知る
  • 制御回路を自動化する「センサー」を知る
  • ハンダ付けや配線などの実技を身に付ける
  • プログラム・ロジック・コントローラー(PLC)を使ってみる
  • マイクロコンピューター(マイコン)のプログラムを作ってみる
  • 電子部品について学習する
  • 実際に機械の制御をしてみる
間違えても安全なプログラム・ロジック・コントローラー実験装置
メカトロニクス機器の例
3Dプリンターを自分で組み立てる
3軸NC加工機の製作例
掃除しない掃除ロボット
実習用ロボットアーム
プログラム・ロジック・コントローラー実習
アクチュエーター実習
アーケードゲームのようなもので実習(手振れ注意)
パチンコのようなもので実習(手振れ注意)

ここまで理解したら感想を送ってください

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コメント

Arduinoマイコンで相撲ロボットを作る

Arduinoマイコンで相撲ロボットを作る

 ArduinoマイコンとDCギヤードモーター2個、モーターハブ2個、ラジコン用タイヤ2個、ボールキャスター2個、フォトリフレクタを4個使って相撲ロボットを作りました。

 測距センサ2個で、相手との距離や位置関係を判断し、DCギヤードモーターをコントロールして戦います。

 まだプログラムが未完成なため、戦うことはできていませんが、とりあえず壁を避けて走ります。

 制御回路には、Arduino nanoマイコン、3端子レギュレータ、モータードライバー2個、土俵を割らないようにするためのフォトリフレクタの感度調整用の半固定抵抗4個で構成されています。

使用した1個400円程度のArduino nano互換マイコンボード

 Arduino nanoマイコンボードは、ICチップの付いた基板にピンヘッダが付いており、ユニバーサル基板を使った回路基板にICのように載せられる便利なマイコンボードですが、設計が古いため左側のUSBコネクターがMini USBになっていますが、USBケーブルだけでパソコンと接続してプログラムを書き込むことができます。

相撲ロボットの制御基板

 このArduinoを中心に、他の必要部品を配置して配線した基板が上の写真です。ArduinoのUSBコネクターはプログラムの書き換えが基板に取り付けたまま可能なように、基板の外周に配置し、コネクターをふさぐように部品を配置してはいけません。

 バッテリーを接続する電源コネクター(左下)は、その右側の3端子レギュレータによって12ボルトから5ボルトに下げられ、Arduinoマイコンの5V端子とフォトリフレクタ(白いコネクター(3ピン)に供給します。バッテリーのマイナス端子は、3端子レギュレータのGND、そしてArduinoのGNDに接続します。そのため、これらの回路はArduinoの5VとGNDの近くに配置します。

 フォトリフレクタを接続する白い3ピンのコネクターと、土俵の白線を検出する感度調整用の半固定抵抗は、それぞれArduinoのA0~A3に接続しますので、その近くに配置します。

 モータードライバーICは、ArduinoのD2~D5に接続しますので、その近くに配置し、2個のモーターを接続する右下の茶色のコネクターは、モータードライバーICの近くに配置します。

 ArduinoのD0とD1は、パソコンとの通信に使って、プログラムを書き込んだり、データをパソコンに表示したりするのに使いますので、ここには何も接続しません。もしここにモータードライバーICとモーターを接続すれば、プログラムを書き込むたびにロボットがランダムに動いて暴れることになるはずです。

 このように、回路から部品配置と配線を考えるときに、その部品が配置されるべき位置を慎重に考えてから固定すれば、配線が短く簡単になり、交差しないのでプリント基板を設計するときにも楽になります。ユニバーサル基板で組み立てるばあいは、あまり配線が短すぎるのも配線しにくいのですが、配線が交差しないようにしておけば、抵抗のリードを切った余りなどで直接接続できますので、作業効率からも見た目からもお勧めです。

プログラムを書き込む

Arduino IDEソフトウェアによるArduinoプログラムの開発画面

 Arduinoマイコンのプログラム(ソフトウェア)を開発するためのパソコンソフトはarduino.ccから無料でダウンロードでき(できれば寄付してください)、簡単に使えます。

 このような点からも、学生の学習用や趣味などで使うにもArduinoマイコンは適しています。

ユニバーサル基板を利用した組立方法はこちら

ラジコン用サーボモーターでロボットアームを作る

ラジコン用サーボモーターを使ってロボットアームを作る

 ラジコン用サーボモーターは1個500円程度から1,000円程度で購入でき、マイコンを使えば制御も簡単なので、おもちゃのロボットアームを作るのに適しています。

 おもちゃと書いたのは、精密な動作はできずロボットとしての実用性はないからです。また、無理矢理関節を曲げたり物にぶつかったりすると簡単に壊れます。

 でも、学習用や子供を喜ばせる程度には使えるため、「おもちゃ」と書いてます。

 このロボットアームは、ラジコン用サーボモーターを2個と、物にぶつかったりしても壊れないステッピング・モーターを2個併用することにより、安全性を少しだけ高めたもので、400円ほどで買えるArduinoマイコン互換機で制御し、プログラムで時間と角度の指定で自動的に動かすこともできますが、ここではプログラムを簡単にするためと、学生や子供(同じようなレベルです)が喜ぶので、可変抵抗によりそれぞれの軸の角度を手動で設定して動かせるようにしました。

 また、ロボットアームのメカは、上の写真のように「アルミ・アングル」と市販の「アルミ・ケース」を使ったものや、下の2枚の写真のように、中国製のロボットアーム金具(確か2,500円程度だったと思います)を使ったものや、タミヤ模型のプラ板を切って削って使ったものなど、学生によって色々なものが出来上がりました。

中国製のロボットアーム金具を使ったロボットアーム
タミヤ模型のプラ板を使ったロボットアーム
Arduino nanoマイコンを使ったロボットアームのコントローラー

 回路は、Arduinoマイコンに「エボルタ充電池」などのニッケル水素電池4本を電源とし、D2~D5までにラジコン用サーボモーターをつないだだけの簡単なものです。

 そして、可変抵抗の3本ある端子の両側に5VとGNDをつなぎ、可変抵抗の中央の端子をArduinoマイコンのA0~A4につないだだけです。

 もちろんラジコン用サーボモーターの電源は直列4本のニッケル水素電池から供給します。

 プログラムは、Arduino開発用のソフトウェアであるArduino IDEのスケッチ例servoのknobを4回コピペして数字の0~4を付けただけのものです。

 最初に書いたように、まるで実用にはなりませんが、消しゴムをつかんで別の場所に置く程度のことはできますので、時間と5千円程度の小遣いがあったら、ぜひ作ってみてください。

テスターの使い方

 メカトロニクス機器の調整や修理に欠かせない測定器の「テスター」の使い方について説明します。

 テスターは、大きく分けて「アナログ式」と「デジタル式」があります。それぞれ利点と欠点があります。

アナログ式テスター

アナログ式テスターの例

 アナログ式テスターにはメーターが付いていて、メーターには複数の目盛りがあり、目盛りを間違えると正しい測定ができません。一番困るのはケタを間違えやすいことです。

  • 電圧や電流の変化がわかりやすい
  • 値を読み間違えがち
  • レンジ(ダイヤル)の切り替えが面倒
  • レンジを間違えると壊れたりヒューズが切れることが多い
  • プラスとマイナスを間違えると壊れることがある

デジタル式テスター

デジタル式テスターの例

 デジタル式テスターは電圧や抵抗などが数値で表示されるので読み間違いが少なく、機種によってはダイヤルの切り替えが、「電圧」「電流」「抵抗」しかないものもあり、操作が簡単で、レンジの間違えで壊れにくい。

  • レンジを間違えても壊れにくい
  • 測定値を読み間違えにくい
  • プラスとマイナスを間違えても「マイナス」と表示される
  • 電圧や電流が変化する測定は難しい(数値が安定しない)
  • 高級品では「波形」も見られるものがある

テスターで実際に測定する

  • デジタル式テスターでは電源をオンにする
  • レンジ(ダイヤル)を回して測定する範囲を切り替える
  • 測定する電圧や電流の大きさが不明の場合は一番大きいレンジにする
  • テスト棒(リード)の金属部分に触れないように両手で1本ずつ持つ
  • 赤(プラス)と黒(マイナス)の先端を正しく回路に押し当てる
  • 交流電圧を測定する場合は赤黒は気にしなくて良い
  • 切り替えたレンジの目盛りを読む(アナログ式テスターの場合)
  • 表示された数値を読む(デジタル式テスターの場合)
  • テスト棒を回路から必ず毎回離す
  • 値がより低いレンジ以下であれば、レンジを1つずつ下げる
  • より正確な値を読む

テスターの抵抗測定はテスター内部の電池から電流を流しいている!

 なので、電流レンジで電圧を測定したり、抵抗レンジで電流を測定したりするとテスターが壊れるか内部のヒューズが切れます。

電流を測定するには回路を切断して切断したところに直列に!

波形も見られる高級なテスターの例
高級なテスターで波形を見たところ