メカトロニクスとは?

 メカトロニクスとは、メカニカルとエレクトロニクスをつなげた和製英語で、直訳すれば「電子機械」というか、「電子制御された機械といったところでしょうか。

メカトロニクスの基本構成

メカトロニクスの基本構成

 メカトロニクスの目的は、ほとんどの場合は自動制御です。人間のかわりに自動運転したり、無人運転したり、自己診断したりできます。

 単純に機械を電気で動かすだけの場合もありますが、基本的に人間の代わりをさせることから、その基本構成は人間にたとえられます。

メカトロニクスを人間に例えると?

 人間は、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感センサーを備え、それを神経(電線)で頭脳(コントローラー)に伝え、脳で過去の経験や直感や条件反射で処理して行動を決定し、神経を通して筋肉を動かして出来事を自動的に処理し、場合によっては処理がうまくできたかどうかを記憶し、次回の判断に活かします。

センサー(人間の五感に相当)

コントローラー(人間の脳に相当)

アクチュエーター(人間の筋肉に相当)

誘導電動機(インダクションモーター)

 誘導電動機(インダクションモーター)はローター(回転子)に永久磁石や電磁石を使わずに誘導子を利用してローターに電源供給をするためのブラシや整流子が必要ない寿命の長い交流電動機(ACモーター)です。  英語ではInduc … “誘導電動機(インダクションモーター)” の続きを読む

誘導電動機(インダクションモーター)

 誘導電動機(インダクションモーター)はローター(回転子)に永久磁石や電磁石を使わずに誘導子を利用してローターに電源供給をするためのブラシや整流子が必要ない寿命の長い交流電動機(ACモーター)です。

 英語ではInduction Motorと呼ばれ、小型の機械や大型の機械の動力などに使われますが、大型の機械の動力には誘導電動機のうちの三相誘導電動機(三相インダクションモーター)が使われることが多いです。

大型誘導モーターの例

ステッピングモーター内部

 上の写真の上側がローター(回転子)で下側がステーター(固定子)になります。ローターは永久磁石と誘導子を組み合わせたハイブリッド型(HB型)で、ステップ角が小さくトルクが大きいのが特徴です。  ステッピングモーターはステ … “ステッピングモーター内部” の続きを読む

ステッピングモーター内部写真

 上の写真の上側がローター(回転子)で下側がステーター(固定子)になります。ローターは永久磁石と誘導子を組み合わせたハイブリッド型(HB型)で、ステップ角が小さくトルクが大きいのが特徴です。

 ステッピングモーターはステーターのコイルによる磁力とローターの磁力との吸引反発力で回転するため、寿命は湿気や発熱などによる絶縁不良を除けば、ほぼローター両端を支えるベアリングの寿命で決まります。

各種ステッピングモーター

空圧機器に使われる部品

(空気圧機器) エア・シリンダー  空気圧を直線運動に変換する装置。 エア・ユニット  空気圧を調節しゴミを取り除いて給油する装置。 エア・ポート(電磁弁)  電気で圧縮空気を送ったり止めたりする弁。 スピード・コントロ … “空圧機器に使われる部品” の続きを読む

(空気圧機器)

エア・シリンダー

 空気圧を直線運動に変換する装置。

エアーシリンダーの例

エア・ユニット

 空気圧を調節しゴミを取り除いて給油する装置。

エアーユニットの例

エア・ポート(電磁弁)

 電気で圧縮空気を送ったり止めたりする弁。

電磁弁
(ソレノイドバルブ)

スピード・コントローラ

 空気の流量を調節する装置。

調整弁 (スピードコントローラー)

エア・コンプレッサ

 圧縮空気を作り出す装置。

メカトロニクスの構成

 メカトロニクスは、メカニカルとエレクトロニクスを合成した和製英語で、センサーから得た信号を、コントローラーで計算したり判断したりして、アクチュエーターでメカニズムを動かすという仕組みになっていて、基本的に電気で動きます … “メカトロニクスの構成” の続きを読む

 メカトロニクスは、メカニカルとエレクトロニクスを合成した和製英語で、センサーから得た信号を、コントローラーで計算したり判断したりして、アクチュエーターでメカニズムを動かすという仕組みになっていて、基本的に電気で動きます。

メカトロニクス機器の例

メカトロニクスと人間を比較すると

 メカトロニクスは、直訳すれば「電子機械」ですから、その究極の目的は人間の代わり、つまり「自動化」です。人間の代わりですから、その構成は人間に例えられます。

メカトロニクスを人間に例えると

 人間は、五感(視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚)で情報を得て、その情報を脳で過去の記憶や本能で判断し、筋肉を動かして行動します。

 つまり、五感=センサー、脳=コントローラー、筋肉=アクチュエーターと、メカトロニクスの基本構成と同じになります。

 そう考えると、人間は非常に優秀で、高性能なセンサー、高性能なコントローラー、高性能なアクチュエーターを備えています。それぞれ見てみると、

  • 5億7600万画素の視覚センサー
  • 20~2万ヘルツの1000万倍の強度の音を捉える聴覚センサー
  • 他の哺乳類に劣らない嗅覚センサー(犬よりもチョコレートの匂いに敏感)
  • 他の肉食動物と比較にならない1万近くの味覚センサー(草食動物は多い)
  • 13ナノメートルの凸凹を感知できる触覚センサー(スマホの1万倍)
  • スーパーコンピューター「京」の2400倍の処理能力を持つ知能
  • 1ペタバイト(約1125兆バイト)の記憶容量を持つ脳(HD動画数十年分)
  • モーターよりずっと小型軽量でエネルギー効率の良い筋肉

メカトロニクスは極めて性能の悪い自動化方法

 そう考えると、メカトロニクスで実現されるロボットは人間とは比較にならない低性能なものになりますが、人間には実現できない利点がいくつかあります。

  • 人間には不可能な大きさや重量のものを扱える
  • 計算そのものは超高速で間違いもない
  • 百万分の一以下の時間で簡単な判断が可能
  • 24時間365日働ける
  • 食事が必要ない
  • トイレに行く必要がない
  • 文句を言わない
  • 生体ウイルスに感染しない(コンピューターウイルスは感染の可能性あり)
  • 仕事内容によっては人間よりお金がかからない
  • お金を出せば確実に雇える(中小企業にはココ重要!)

メカトロニクスの要素

3相誘導電動機を動かす

 三相交流で三相電動機(3相モーター)を動かすには、下の図の「スター結線」か「デルタ結線」で配線します。大型のモーターでは起動時のラッシュ電流を防止するために最初は「スター結線」で、時間が経ってから「デルタ結線」に配線す … “3相誘導電動機を動かす” の続きを読む

 三相交流で三相電動機(3相モーター)を動かすには、下の図の「スター結線」か「デルタ結線」で配線します。大型のモーターでは起動時のラッシュ電流を防止するために最初は「スター結線」で、時間が経ってから「デルタ結線」に配線する「スター・デルタ起動方式」が用いられることが多いです。

 スター結線からデルタ結線に配線を切り替えるには、電磁接触器(マグネチック・コンタクター)が使われます。マグネチック・コンタクターは、リレーの大きいものです。

スター結線
デルタ結線(Δ結線)

ステッピング・モーター駆動原理

 ステッピング・モーターには大きく分けて、電流を片方向にしか流さない「ユニポーラ」と、電流を双方向に流す「バイポーラ」の2種類あります。  一般的にバイポーラは回路が複雑になりますが、効率が良く、バイポーラは回路は簡単で … “ステッピング・モーター駆動原理” の続きを読む

 ステッピング・モーターには大きく分けて、電流を片方向にしか流さない「ユニポーラ」と、電流を双方向に流す「バイポーラ」の2種類あります。

 一般的にバイポーラは回路が複雑になりますが、効率が良く、バイポーラは回路は簡単ですが効率が悪いのですが、ステッピング・モーターを直接つなげるステッピング・モーター用ICの普及により、徐々にバイポーラが使われることが多くなってきました。

2相ユニポーラ型ステッピング・モーターの例(電線が5~6本)
2相バイポーラ型ステッピング・モーター(電線が4本)
2相ステッピング・モーターの図記号(バイポーラ型)
2相ステッピング・モーターの駆動原理(半分だけ)
トランジスターを使った2相バイポーラ型ステッピング・モーター駆動回路(半分だけ)

 2相ユニポーラ型ステッピング・モーターの駆動回路は、モーターのコイルに電流を両方向に流さないとならないので、回路が複雑になります。

 4個のトランジスタがアルファベットのHの形に見えるため「Hブリッジ」または「フル・ブリッジ」と呼ばれます。

Hブリッジがショートして壊れる理屈

 また、Hブリッジは正しく制御しないとトランジスターがショートして壊れるため、ソフトウェアでタイミングを作るのはおすすめできません。

 ちなみにHブリッジの半分のトランジスタ2個だけの回路は「ハーフ・ブリッジ」と呼ばれます。

2相ユニポーラステッピング・モーターの駆動原理

 ユニポーラ型ステッピング・モーターの駆動回路は、電流を片方向にだけ流せば良いので、バイポーラ型のようなHブリッジは必要なく、コイルの数と同じだけのトランジスターがあれば可能です。具体的には次の図のような駆動回路になります。

2相ユニポーラ形ステッピング・モーターの駆動回路例

ステッピング・モーターの駆動回路の写真はこちら

ステッピング・モーターとは?

コイルに順番に電流を流すと一定の角度だけ回転する(速度が安定) 電源に接続しただけでは回転しない(ドライバー回路が必要) 負荷が大きくなるとカラ回りする(過負荷で使うとダメだが安全性が高い) 高速回転に向かない(低速回転 … “ステッピング・モーターとは?” の続きを読む

  • コイルに順番に電流を流すと一定の角度だけ回転する(速度が安定)
  • 電源に接続しただけでは回転しない(ドライバー回路が必要)
  • 負荷が大きくなるとカラ回りする(過負荷で使うとダメだが安全性が高い)
  • 高速回転に向かない(低速回転では減速機が不要)
  • 寿命が長い(ベアリングの寿命で決まる)
  • メンテナンスの必要がない(ブラシ交換などが不要)

 ステッピング・モーターは別名パルスモーターとも呼ばれ、複数あるコイルに順番に電流を流すことにより回転する、故障や危険の少ない反面、高速回転に向かず振動が大きいなどの欠点を持つモーターですが、デジタル回路との相性が良いため、プリンターや家電製品、3Dプリンター、小型ロボットなどに数多く使われています。

 ちなみに上の写真のステッピング・モーターは、いらなくなったプリンターを分解して取り出したものです。

 ステッピング・モーターの回転角度はコイルに順番に電流を流した回数に比例し、100パルスないしは200パルスで1回転するものが多いです。

 逆に言えば、1パルス当たり1.8°ないしは3.6°回転することになります。直径6mmのM6のネジのピッチは標準で1mmですので、100パルスで1回転のステッピング・モーターでM6のネジを回転させ、それをM6のナットで受ければ、0.01mm単位で正確に動かすことができ、3Dプリンターなどで、X,Y,Z軸の3方向に動かす機構を簡単に作ることができます。

 また、金属やプラスチックなどを立体的に加工するNC工作機あるいはNCルーターと呼ばれる装置も同様に簡単に実現でき、ステッピング・モーターを3個使った簡易型の3Dプリンターなどでは1万円程度で購入できるものもあります。

ステッピング・モーターを使った安価な3Dプリンターの例
自分で組み立てる3Dプリンター組立キットの例
(銀色で挟まれた黒い四角いのがステッピング・モーター)

ステッピング・モーターの解説

 ステッピング・モーター(パルス・モーター)は、複数のコイルに順番に電流を流すと決まった角度だけ回転するモーターです。  回転速度はコイルに流す電流の周波数で決まり、マイクロコンピューターとの相性が良く、無理やり止めたり … “ステッピング・モーターの解説” の続きを読む

ステッピング・モーターと駆動回路の例

 ステッピング・モーター(パルス・モーター)は、複数のコイルに順番に電流を流すと決まった角度だけ回転するモーターです。

 回転速度はコイルに流す電流の周波数で決まり、マイクロコンピューターとの相性が良く、無理やり止めたりぶつかったりしても故障したりケガしたりすることが少ないため、エアコンの吹出し口の風向きを変える「ルーバー」やインクジェットプリンターの印字ヘッドを左右に動かず「キャリッジ」や紙送り用のモーターとして使われています。

 ステッピング・モーターをロボットや「おもちゃ」に使えば、非常に安全性や信頼性の高いものが実現できます。

 欠点は、高速回転に向かないことや、振動が大きいこと、停止時の位置が不定のため、再起動した時に一旦原点に戻る必要があったりします。

 また、重力の影響を受ける構造のものは、停電すると「保持トルク」が失われ、故障した「ターミネーター」のように崩れ落ちたりします。

ステッピング・モーター駆動回路

 ステッピング・モーターは、複数あるコイルに順番に電流を流さないと回転しないので、直流モーター(マブチモーターなど)や交流モーター(誘導モーターなど)のように電池や電源につないでも回転しないため、駆動回路(モーター・ドライバー)が必要になります。

 モーター・ドライバーはマイクロコンピューターや専用集積回路などで作ることができます。単に回すだけなら数千円、回転角度を制御したい場合は数千円~数万円かかります。

昔のステッピング・モーター用集積回路を使ったモーター・ドライバーの例
PICマイコンとパワーMOS-FETを使ったモーター・ドライバーの例
PICマイコンとトランジスター・アレイを使ったモーター・ドライバーの例
新しいステッピング・モーター駆動用集積回路を使ったモーター・ドライバーの例

ステッピング・モーター駆動の動画があります

ステッピングモーター(パルスモーター)を動かしているところ

アクチュエーターとは? (2)

AC(誘導)モーター  交流で回転するモーターで、大きなパワーのものも作られています。基本的に周波数に比例した速度で回転するため、速度を変えるのは難しく、負荷によって速度が変わったりするので、動力としては優れている反面、 … “アクチュエーターとは? (2)” の続きを読む

AC(誘導)モーター

 交流で回転するモーターで、大きなパワーのものも作られています。基本的に周波数に比例した速度で回転するため、速度を変えるのは難しく、負荷によって速度が変わったりするので、動力としては優れている反面、とっても制御しにくいモーターです。

 昔はエレベーターやエスカレーターなどにも使われていましたが、バリアフリー化の要請もあって速度を任意に変えられるACサーボモーターに急速に置き換わりつつあります。

 とは言え、安い掃除機や洗濯機などには現在も使われていて、製造販売している重電メーカーも多いです。

ACモーターの画像です
AC誘導モーター(AC Induction Motor):交流を回転力に変える

リニアアクチュエーター

 直線(リニア)運動をするアクチュエーターで中身はモーターです。回転動力を内部の台形ネジとナットで直線運動に変換し、その減速効果で大きなパワーを得られ、下の写真のもので移動距離(ストローク)850mm、最大荷重40kg、最高速度400mm毎秒と思ったより速く動きます。

 これを見た私の教え子は「ガンダム」や「サンダーバード」に登場する発射台(カタパルト)みたいだと言っていました。

 ※危険なので決して乗らないでください。

リニアアクチュエーターの画像です
リニアアクチュエーター:素早く移動距離の長い直線運動ができる