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メカトロニクス目次

 メカトロニクスは、「メカニカル」と「エレクトロニクス」を合成した和製英語で、直訳すれば、「機械の電子化」になります。メカトロニクスは「センサ」、「コントローラー」、「アクチュエータ」の3要素で構成されます。

 近年では、コントローラーにマイクロコンピューターが使われることが多く、メカトロニクスを習得するには「電子技術」や「ソフトウェア」の知識が欠かせません。

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センサーの種類と特徴

 ロボットや自動機械を実現する「メカトロニクス」で、人間の五感に相当するものが「センサー」です。センサには目的に応じて各種のものがあって、自動車や家電製品などにも多く使われています。

リミットスイッチ(マイクロスイッチ)

 単純なセンサーで、作動するとオンまたはオフになるものです。比較的寿命が短く、作動音も聞こえますが、動作確認がしやすいのと機械的に作動するので故障はあっても誤作動の可能性は低いです。このような特長から非常用の安全センサーとしても使われています。

リミットスイッチ(マイクロスイッチ):単純なセンサーで対象物によって色々な種類がある

光電センサー

 半導体などの光の強さを電流に変換する素子を使ったセンサーで寿命が長く作動音がせず非接触で対象物を傷つけたり妨害したりせず動作速度が速いです。

光電センサーの画像です
光電センサー:光の透過や反射などで対象物を検知します

磁気近接センサー

 磁気の変化で金属などの対象物を検知します。光電センサーと違って汚れに強く、プラスチック板などで隠しても作動します。簡単に言えば小型の金属探知機でポケットに入れた小銭などにも反応します。また、道路の下に埋めて駐車場の精算機を作動させたり、速度取り締まりに使ったりします。

磁気近接センサーの写真です
磁気近接センサー:磁力の変化で対象物を非接触で検知します

圧力センサー

 電子はかり、エレベーターの定員オーバー、自動ドアの検知マット、体重計などに使われている、重さによる「ひずみ」を検知して作動します。下の写真のものは変化が大きいため、タッチスイッチとしても利用可能です。

圧力センサーの写真です
圧力センサー:圧力(ひずみ)を電気抵抗の変化で検知します

超音波センサー

 人間の耳に聞こえない周波数の高い空気の振動(超音波)を発射して、対象物に反射して戻って来るまでの時間を計測することによって対象物までの距離がわかります。

 車の前後のバンパーや対人ロボットに使われていて、障害物に衝突しないように制御したり注意喚起したりするのに使われます。また、手の届かない天井などまでの距離を測る電子メジャーとしても使われています。

 ただし、超音波が伝搬する速さは気圧や温度によって変わり、補正しないとミリメートル単位の正確な距離はわかりません。

 言わば「電子コウモリ」のようなものです。もっと複雑なものに超音波の反射によりお腹の中を画像で見られる「超音波エコー検査装置」などの応用や魚群探知機などの大掛かりなものもあります。

超音波センサーの写真です
超音波センサー:超音波を発射して対象物に反射して戻って来るまでの時間で距離がわかります

人感センサー(焦電センサー)

 人体や熱を持つ物体が発する赤外線を感知して、人が居るかどうかや、たくさん集めて温度分布を映像で見られる「サーモグラフィー」と基本的な原理は同じです。ヘビなどの変温動物はエサになる哺乳動物が発する赤外線を検知できるので暗闇でも狩りができると言われています。

人感センサーの画像があります
人感センサー(焦電センサー):中央の白い丸型のもの

センサーの動作原理

アクチュエーターとは? (2)

AC(誘導)モーター

 交流で回転するモーターで、大きなパワーのものも作られています。基本的に周波数に比例した速度で回転するため、速度を変えるのは難しく、負荷によって速度が変わったりするので、動力としては優れている反面、とっても制御しにくいモーターです。

 昔はエレベーターやエスカレーターなどにも使われていましたが、バリアフリー化の要請もあって速度を任意に変えられるACサーボモーターに急速に置き換わりつつあります。

 とは言え、安い掃除機や洗濯機などには現在も使われていて、製造販売している重電メーカーも多いです。

ACモーターの画像です
AC誘導モーター(AC Induction Motor):交流を回転力に変える

リニアアクチュエーター

 直線(リニア)運動をするアクチュエーターで中身はモーターです。回転動力を内部の台形ネジとナットで直線運動に変換し、その減速効果で大きなパワーを得られ、下の写真のもので移動距離(ストローク)850mm、最大荷重40kg、最高速度400mm毎秒と思ったより速く動きます。

 これを見た私の教え子は「ガンダム」や「サンダーバード」に登場する発射台(カタパルト)みたいだと言っていました。

 ※危険なので決して乗らないでください。

リニアアクチュエーターの画像です
リニアアクチュエーター:素早く移動距離の長い直線運動ができる

アクチュエーターとは?

 アクチュエータ(actuator)とは、actuate(作動させる)+er(もの)で、エネルギーまたは電気信号を実際の物理的な動力に変換するものです。もっとも多く使われるものはモーターあるいは電磁石(ソレノイド)で、圧電素子やヒーターを含む場合があります。

 これらのアクチュエータはマイクロ・コンピューターあるいはシーケンサー、メーカーによってはプログラム・ロジック・コントローラー (PLC)と呼ばれる制御装置でコントロールされ、近年では自動制御を実現するアイテムとして多く利用されています。

DCモーター

DCギヤードモーター(アクチュエーターの一種):電力を回転運動に変える

 上の写真はアクチュエーターとして一番多く利用される「モーター」または日本語で「電動機」と呼ばれるもので、自動車、ロボット、産業用機械などにつかわれています。

電磁石(ソレノイド)

ソレノイド(電磁石):電力を直線運動に変換する

 上の写真はアクチュエーターとしてモーターの次に多く使われるソレノイド(電磁石)で、電流をコイル(電磁石)に流して発生する磁力で磁性体(鉄)でできたアーマチュア(左側の丸い鉄心)を引き付けて直線運動に変換するものです。

 電流の強さで引っ張るパワーを変えられなくもありませんが、あまり細かい動きはできず、電磁ロックの解除や洗濯機の水を出したり止めたりする電磁バルブ(電磁弁)や、昔コンピューターで使われていた「フロッピーディスクドライブ」で磁気ヘッドをディスクに接触させたり離したりするのに使われたり、次の写真のソレノイドバルブ(電磁弁)として、空気圧をオン/オフするのに使われています。

 フロッピーディスクドライブでわかるように作動時に「カチカチ」とか「ガチャガチャ」とか「バシンバシン」と音がしたり、振動が大きかったりしますが、停電すると自力で維持できずに、洗濯機で水が出たままになるなどの問題を起こさない利点があります。

 お化け屋敷などでシューと空気を噴き出して驚かせたり、エアーモーターと呼ばれる空気圧で回転するアクチュエーターにも使われます。

ソレノイドバルブ(電磁弁):空気圧を出したり止めたりする

エアーシリンダー

 ソレノイドバルブ(電磁弁)でコントロールされた圧縮空気を出し入れすることにより直線運動するアクチュエーターです。

エアーシリンダー:エアー(空気圧)で左側の棒(ロッド)が出たり入ったりする

 空気圧で動くので「注射器」の管をふさいだ状態のように柔らかく動くのが特徴で、壊れやすいものをつかむ「マニピュレーター」などとしてロボットに使われたり、食品関係の製造機械などに使われる。

 あとで説明する「油圧シリンダー」のような大きなパワーは出せませんが、オイル漏れなどを起こすと大変なことになる油圧と違い、たとえ漏れても「空気」なので食品や人体に与える害がほとんどないのも利点です。

 また、下の写真のようなスピードコントローラーで空気を絞ることによりスピードやパワーをその場で簡単に調整できるため、実験装置や現場で調整を必要とする食品関係の機械に向いています。

 欠点としては、圧縮空気を作るための「コンプレッサー」と呼ばれる大きな装置が必要だったり、空気中に含まれる水分でソレノイドバルブやシリンダー内部が錆びたりするのを防ぐためのフィルターや、エアーシリンダーをスムーズに動かし続けるために油を圧縮空気と共に送り出す、「ドライヤー」、「レギュレーター」、「ルブリケーター」などの機器が必要でお金がかかるのと、コンプレッサーの作動音や排気音がするなどの問題があります。

フィルター&ルブリケーター&レギュレーター:圧縮空気を整える
スピードコントローラー:圧縮空気の量を調整する

油圧シリンダー

 残念ながら写真はないのですが、パワーショベルカーなどの建設機械や油圧式エレベーターなどに使われています。大きなパワーを出せるのが特長ですが、動作速度が遅めで、油圧ポンプや油圧ソレノイドバルブなどの大型で高価な装置が必要で、最近は油圧式エレベーターは姿を消しつつあります。

 我が家のマンションの油圧式エレベーターも2018年にモーターを使ったロープ式に付け替えたところ、動きが目に見えて早くなりました。

ステッピングモーター(パルスモーター)

 複数個の電磁石(コイル)に順番に電流を印加することによって回転するモーターです。DCモーターやACモーターと違い、負荷によって故障することが少ないため、また、磁力だけで回転しているため無理な負荷が加わると空回りするため、安全性も高く、プリンターのヘッドを左右に動かしたり、紙送りをしたり、エアコンなどの吹き出し口の風の向きを変えたり(ルーバー)するのに使われていて、子供が手を突っ込んでもケガしにくいなどの特長を持っています。

 また、回転角度がパルス数に比例するため、簡単な回路で位置決めできるなど、マイコンとの相性の良いアクチュエーターです。

ステッピングモーター(大型):安全性が高く回転位置を簡単に制御できる
ステッピングモーター(中型)
ステッピングモーター(中型)