月別アーカイブ: 2020年4月

コントローラー(制御回路)

 メカトロニクスで使われるコントローラーで一番多いのは、リレー回路の置き換え用として開発された「プログラム・ロジック・コントローラー」略してPLCです。プログラムロジックコントローラーはシーケンサーやプログラムコントローラーとも呼ばれ、様々なメーカーが販売しています。

リレーを使ったコントローラー

 リレーを使ったコントローラーは1970年代まで良く使われましたが、近年では大きなモーターを制御するとかの場合を除いて使われていません。リレーには、つぎのような特徴があります。

  • 寿命が短い(定期的に交換しないと故障する)
  • 消費電力が大きい
  • 動作速度が遅い
  • 発熱量が大きい
  • 動作音が大きい
  • 動きが目でわかるので修理しやすい
  • 機能が単純なので設計が簡単
リレーの例

トランジスターを使ったコントローラー

 トランジスターを使ったコントローラーやコンピューターはリレーの次に良く使われていましたが、近年ではマイクロコンピューターに置き換えられ、やはりモーターなどを最終的にオンオフするくらいしか使われません。トランジスターの特徴は次の通りです。

  • 価格が安い
  • 小型軽量
  • 消費電力が少ない
  • 速度が比較的早い
  • 寿命が半永久的で故障が少ない
  • 作動音がしない
  • 発熱量が少ない
  • 動きが見た目でわからない(修理にはテスターなどが必要)
トランジスターの例

ICを使ったコントローラー

 IC(集積回路)を使ったコントローラーは、1980年代にトランジスターに置き換えが急速に進み、現在使われているマイクロコンピューターと構造的には同じものなので、現在でもICが使われているといえるが、この時代のICは、「汎用デジタルIC」と呼ばれるICを組み合わせてリレー回路のように使われていたので、機能を変えるには作り直さなければならないかわりにソフトウェア(プログラム)は不要で電子回路の知識があれば手軽に使えました。ICの特徴は次の通りです。

  • トランジスターを組み合わせて使うより値段が安い
  • トランジスターを組み合わせて使うより更に小型軽量
  • トランジスターを組み合わせて使うより動作速度が速い
  • 寿命が半永久的で故障が少ない
  • 消費電力が極めて少ない
  • 小さくなって組立しにくい
汎用(はんよう)デジタルICの例

マイクロコンピューター(マイコン)を使ったコントローラー

 1980年代後半からマイクロコンピューター(マイコン)を使ったコントローラーが一気に増えてきました。マイクロコンピューターはプログラムを変えるだけで改良や機能追加が可能になったり、大量生産が楽になったり、制御回路の共通化が可能になってコスト削減や在庫の削減に貢献しました。

 しかし、プログラムを作らないと動かないため、アセンブリ言語やC言語などのプログラム作るための知識がないと使えなくなりました。マイクロコンピューターを使ったコントローラーの特徴は次の通りです。

  • 非常に安価
  • 大量生産が楽
  • 超小型超軽量
  • 超低消費電力(のものもある)
  • 寿命が半永久的
  • 故障した際の安全性が高い
  • プログラムを作らないと動かない(ソフトウェアの知識が必要)
マイコンピューター(マイコン)の例

プログラム・ロジック・コントローラー(PLC)シーケンサーを使った例

 マイクロコンピューターを使ったコントローラーでは、ソフトウェアを作るためのアセンブリ言語やC言語などの知識が不可欠でしたが、プログラマーや電子技術者ならともかく、メカトロニクス技術者や電気技術者には簡単に使えるようなものではありませんでした。

 そこで、メーカーがマイクロコンピューターとプログラムをあらかじめ内蔵して、リレー回路のように簡単に使えるコントローラーを発売しました。

 それがプログラム・ロジック・コントローラー(PLC)、プログラム・コントローラー、シーケンサーなどと呼ばれるコントローラーです。

 このコントローラーは、電気技術者や機械技術者でも割と簡単に使えるため、メカトロニクス機器のコントローラーといえば、数値制御(NC)や人工知能(AI)などを除いて、ほとんどがこのPLCを使うようになりました。

 ただ、割と大きいのと価格が高いので、家電製品や持ち運ぶ電子機器、おもちゃなどにはマイクロコンピューターが使われます。プログラム・ロジック・コントローラーの特徴は次の通りです。

  • 割と簡単に使える
  • 割と大きくて少し重い
  • 値段が高い(数万円~数十万円)
  • 故障しにくい(リレー出力のものを除く)
  • 高価なプログラム作成用ソフトウェアが必要なものが多い
プログラム・ロジック・コントローラー(PLC)シーケンサーの例

PLCのプログラムについてはこちら

3相誘導電動機を動かす

 三相交流で三相電動機(3相モーター)を動かすには、下の図の「スター結線」か「デルタ結線」で配線します。大型のモーターでは起動時のラッシュ電流を防止するために最初は「スター結線」で、時間が経ってから「デルタ結線」に配線する「スター・デルタ起動方式」が用いられることが多いです。

 スター結線からデルタ結線に配線を切り替えるには、電磁接触器(マグネチック・コンタクター)が使われます。マグネチック・コンタクターは、リレーの大きいものです。

スター結線
デルタ結線(Δ結線)

ステッピング・モーター駆動原理

 ステッピング・モーターには大きく分けて、電流を片方向にしか流さない「ユニポーラ」と、電流を双方向に流す「バイポーラ」の2種類あります。

 一般的にバイポーラは回路が複雑になりますが、効率が良く、バイポーラは回路は簡単ですが効率が悪いのですが、ステッピング・モーターを直接つなげるステッピング・モーター用ICの普及により、徐々にバイポーラが使われることが多くなってきました。

2相ユニポーラ型ステッピング・モーターの例(電線が5~6本)
2相バイポーラ型ステッピング・モーター(電線が4本)
2相ステッピング・モーターの図記号(バイポーラ型)
2相ステッピング・モーターの駆動原理(半分だけ)
トランジスターを使った2相バイポーラ型ステッピング・モーター駆動回路(半分だけ)

 2相ユニポーラ型ステッピング・モーターの駆動回路は、モーターのコイルに電流を両方向に流さないとならないので、回路が複雑になります。

 4個のトランジスタがアルファベットのHの形に見えるため「Hブリッジ」または「フル・ブリッジ」と呼ばれます。

Hブリッジがショートして壊れる理屈

 また、Hブリッジは正しく制御しないとトランジスターがショートして壊れるため、ソフトウェアでタイミングを作るのはおすすめできません。

 ちなみにHブリッジの半分のトランジスタ2個だけの回路は「ハーフ・ブリッジ」と呼ばれます。

2相ユニポーラステッピング・モーターの駆動原理

 ユニポーラ型ステッピング・モーターの駆動回路は、電流を片方向にだけ流せば良いので、バイポーラ型のようなHブリッジは必要なく、コイルの数と同じだけのトランジスターがあれば可能です。具体的には次の図のような駆動回路になります。

2相ユニポーラ形ステッピング・モーターの駆動回路例

ステッピング・モーターの駆動回路の写真はこちら

Arduinoマイコンで相撲ロボットを作る

Arduinoマイコンで相撲ロボットを作る

 ArduinoマイコンとDCギヤードモーター2個、モーターハブ2個、ラジコン用タイヤ2個、ボールキャスター2個、フォトリフレクタを4個使って相撲ロボットを作りました。

 測距センサ2個で、相手との距離や位置関係を判断し、DCギヤードモーターをコントロールして戦います。

 まだプログラムが未完成なため、戦うことはできていませんが、とりあえず壁を避けて走ります。

 制御回路には、Arduino nanoマイコン、3端子レギュレータ、モータードライバー2個、土俵を割らないようにするためのフォトリフレクタの感度調整用の半固定抵抗4個で構成されています。

使用した1個400円程度のArduino nano互換マイコンボード

 Arduino nanoマイコンボードは、ICチップの付いた基板にピンヘッダが付いており、ユニバーサル基板を使った回路基板にICのように載せられる便利なマイコンボードですが、設計が古いため左側のUSBコネクターがMini USBになっていますが、USBケーブルだけでパソコンと接続してプログラムを書き込むことができます。

相撲ロボットの制御基板

 このArduinoを中心に、他の必要部品を配置して配線した基板が上の写真です。ArduinoのUSBコネクターはプログラムの書き換えが基板に取り付けたまま可能なように、基板の外周に配置し、コネクターをふさぐように部品を配置してはいけません。

 バッテリーを接続する電源コネクター(左下)は、その右側の3端子レギュレータによって12ボルトから5ボルトに下げられ、Arduinoマイコンの5V端子とフォトリフレクタ(白いコネクター(3ピン)に供給します。バッテリーのマイナス端子は、3端子レギュレータのGND、そしてArduinoのGNDに接続します。そのため、これらの回路はArduinoの5VとGNDの近くに配置します。

 フォトリフレクタを接続する白い3ピンのコネクターと、土俵の白線を検出する感度調整用の半固定抵抗は、それぞれArduinoのA0~A3に接続しますので、その近くに配置します。

 モータードライバーICは、ArduinoのD2~D5に接続しますので、その近くに配置し、2個のモーターを接続する右下の茶色のコネクターは、モータードライバーICの近くに配置します。

 ArduinoのD0とD1は、パソコンとの通信に使って、プログラムを書き込んだり、データをパソコンに表示したりするのに使いますので、ここには何も接続しません。もしここにモータードライバーICとモーターを接続すれば、プログラムを書き込むたびにロボットがランダムに動いて暴れることになるはずです。

 このように、回路から部品配置と配線を考えるときに、その部品が配置されるべき位置を慎重に考えてから固定すれば、配線が短く簡単になり、交差しないのでプリント基板を設計するときにも楽になります。ユニバーサル基板で組み立てるばあいは、あまり配線が短すぎるのも配線しにくいのですが、配線が交差しないようにしておけば、抵抗のリードを切った余りなどで直接接続できますので、作業効率からも見た目からもお勧めです。

プログラムを書き込む

Arduino IDEソフトウェアによるArduinoプログラムの開発画面

 Arduinoマイコンのプログラム(ソフトウェア)を開発するためのパソコンソフトはarduino.ccから無料でダウンロードでき(できれば寄付してください)、簡単に使えます。

 このような点からも、学生の学習用や趣味などで使うにもArduinoマイコンは適しています。

ユニバーサル基板を利用した組立方法はこちら

ラジコン用サーボモーターでロボットアームを作る

ラジコン用サーボモーターを使ってロボットアームを作る

 ラジコン用サーボモーターは1個500円程度から1,000円程度で購入でき、マイコンを使えば制御も簡単なので、おもちゃのロボットアームを作るのに適しています。

 おもちゃと書いたのは、精密な動作はできずロボットとしての実用性はないからです。また、無理矢理関節を曲げたり物にぶつかったりすると簡単に壊れます。

 でも、学習用や子供を喜ばせる程度には使えるため、「おもちゃ」と書いてます。

 このロボットアームは、ラジコン用サーボモーターを2個と、物にぶつかったりしても壊れないステッピング・モーターを2個併用することにより、安全性を少しだけ高めたもので、400円ほどで買えるArduinoマイコン互換機で制御し、プログラムで時間と角度の指定で自動的に動かすこともできますが、ここではプログラムを簡単にするためと、学生や子供(同じようなレベルです)が喜ぶので、可変抵抗によりそれぞれの軸の角度を手動で設定して動かせるようにしました。

 また、ロボットアームのメカは、上の写真のように「アルミ・アングル」と市販の「アルミ・ケース」を使ったものや、下の2枚の写真のように、中国製のロボットアーム金具(確か2,500円程度だったと思います)を使ったものや、タミヤ模型のプラ板を切って削って使ったものなど、学生によって色々なものが出来上がりました。

中国製のロボットアーム金具を使ったロボットアーム
タミヤ模型のプラ板を使ったロボットアーム
Arduino nanoマイコンを使ったロボットアームのコントローラー

 回路は、Arduinoマイコンに「エボルタ充電池」などのニッケル水素電池4本を電源とし、D2~D5までにラジコン用サーボモーターをつないだだけの簡単なものです。

 そして、可変抵抗の3本ある端子の両側に5VとGNDをつなぎ、可変抵抗の中央の端子をArduinoマイコンのA0~A4につないだだけです。

 もちろんラジコン用サーボモーターの電源は直列4本のニッケル水素電池から供給します。

 プログラムは、Arduino開発用のソフトウェアであるArduino IDEのスケッチ例servoのknobを4回コピペして数字の0~4を付けただけのものです。

 最初に書いたように、まるで実用にはなりませんが、消しゴムをつかんで別の場所に置く程度のことはできますので、時間と5千円程度の小遣いがあったら、ぜひ作ってみてください。

センサーの動作原理

 メカトロニクス機器で使われる各種センサーの原理について説明します。

マイクロスイッチ

 マイクロスイッチは、リミットスイッチのうち超小型のものをさします。ものによって上の写真のようにレバーやローラーが付いていたりしますが、中身は金属(リン青銅が多い)の接点(コンタクト)です。

マイクロスイッチの内部(左側の斜めに重なっている部分が接点)

磁気近接センサー

磁気近接センサーの例

 コイルに高周波を流し、電流の変化などで近くに磁性体(鉄、ニッケル、コバルト)や非磁性金属(銅、アルミニウム、ステンレスなど)があるかどうかを検出するセンサーです。簡単にいえば小型の「金属探知機」みたいなものです。

磁気近接センサーの原理

 光電センサー

フォトインタラプタ

 光電センサーは、発光ダイオード(LED)とフォト・トランジスター(光センサ)を組み合わせたものが良く使われ、通り抜ける光をさえぎることで作動する「透過型」と、反射光を検出する「反射型」の2種類あります。

透過型光電センサー(フォトインタラプタ)の原理
反射型光電センサー(フォトリフレクタ)の原理

圧力センサー

圧力センサーの写真です
圧力センサー

 圧力(重さ)により曲がった導電体の電気抵抗が変化する性質を利用したセンサーで、大昔は「ひずみゲージ」というニクロム線などの抵抗線を利用したものが使われましたが、現在では「導電性プラスチック」や「半導体」を使った高感度なものが多く使われています。

圧力センサーの原理

温度センサー

 温度を電気信号に変換するセンサーです。使える温度や精度などで色々なセンサーがあります。

バイメタル

バイメタルの原理

 熱膨張率の異なる2種類の金属を貼り合わせて温度が変化すると曲がる金属板を利用したスイッチで、昔は「こたつ」や「クーラー」などの温度を一定に保つ機器で使われましたが、精度がめちゃくちゃ悪いのと、金属疲労により特性が変わったり故障したりするので現在ではほとんど使われませんが、他の温度センサーが壊れたときの最終的な安全スイッチとして使われることがあります。

サーミスター

 半導体の電気抵抗が温度によって大きく変化することを利用した温度センサーで、価格が安く、高感度なので、エアコン、冷蔵庫、炊飯器、オーブン、電気毛布などの家電製品や3Dプリンターなどで良く使われます。

サーミスターを使った体温計の例

温度センサーIC

IC温度センサー

 半導体温度センサーと補正回路を集積回路(IC)にしたもので、高感度で高精度で比較的安価なため、サーミスターの代わりに使われることも多くなりました。

熱電対(ねつでんつい)

 異種の金属を接合すると、温度により微弱な電流が発生することを利用した温度センサーで、他の温度センサーと比較すると高温(1000℃程度まで)測定できることが特徴ですが、近年は温度の高い物体が発する赤外線から温度を推定する「焦電センサー」に置き換えられつつありますが、半導体は放射線に弱いので、原子力発電所などでは現在でも使われています。

焦電センサー

 ある種のセラミックなどは赤外線を電圧に変換します。それを利用して人体が発する赤外線から体温を測ったり、非接触で高温の物体の温度を測ったりします。これを多く集めて温度分布を映像で見られるようにしたのが「サーモグラフィー」です。

焦電センサー
焦電センサーを応用した人感センサーの原理
焦電センサーを使った耳で測る体温計の例(右端が焦電センサー)

放射線センサー

放射線センサー(ガイガーミュラー管)

 昔は放射線センサーといえば「ガイガーミュラー管」でしたが、近年では半導体を使った小型軽量のものが多くなっています。

テスターの使い方

 メカトロニクス機器の調整や修理に欠かせない測定器の「テスター」の使い方について説明します。

 テスターは、大きく分けて「アナログ式」と「デジタル式」があります。それぞれ利点と欠点があります。

アナログ式テスター

アナログ式テスターの例

 アナログ式テスターにはメーターが付いていて、メーターには複数の目盛りがあり、目盛りを間違えると正しい測定ができません。一番困るのはケタを間違えやすいことです。

  • 電圧や電流の変化がわかりやすい
  • 値を読み間違えがち
  • レンジ(ダイヤル)の切り替えが面倒
  • レンジを間違えると壊れたりヒューズが切れることが多い
  • プラスとマイナスを間違えると壊れることがある

デジタル式テスター

デジタル式テスターの例

 デジタル式テスターは電圧や抵抗などが数値で表示されるので読み間違いが少なく、機種によってはダイヤルの切り替えが、「電圧」「電流」「抵抗」しかないものもあり、操作が簡単で、レンジの間違えで壊れにくい。

  • レンジを間違えても壊れにくい
  • 測定値を読み間違えにくい
  • プラスとマイナスを間違えても「マイナス」と表示される
  • 電圧や電流が変化する測定は難しい(数値が安定しない)
  • 高級品では「波形」も見られるものがある

テスターで実際に測定する

  • デジタル式テスターでは電源をオンにする
  • レンジ(ダイヤル)を回して測定する範囲を切り替える
  • 測定する電圧や電流の大きさが不明の場合は一番大きいレンジにする
  • テスト棒(リード)の金属部分に触れないように両手で1本ずつ持つ
  • 赤(プラス)と黒(マイナス)の先端を正しく回路に押し当てる
  • 交流電圧を測定する場合は赤黒は気にしなくて良い
  • 切り替えたレンジの目盛りを読む(アナログ式テスターの場合)
  • 表示された数値を読む(デジタル式テスターの場合)
  • テスト棒を回路から必ず毎回離す
  • 値がより低いレンジ以下であれば、レンジを1つずつ下げる
  • より正確な値を読む

テスターの抵抗測定はテスター内部の電池から電流を流しいている!

 なので、電流レンジで電圧を測定したり、抵抗レンジで電流を測定したりするとテスターが壊れるか内部のヒューズが切れます。

電流を測定するには回路を切断して切断したところに直列に!

波形も見られる高級なテスターの例
高級なテスターで波形を見たところ

メカトロニクス機器とは?

メカトロニクス機器とは

 メカトロニクス機器は、一部では電子制御機器と呼ばれることもあります。広い意味でのロボットもメカトロニクス機器に含まれます。

 メカトロニクス機器では、一般的にセンサからの信号をマイコンやプログラムコントローラで処理してモータや電磁石(ソレノイド)や空圧機器などのアクチュエータを制御して自動化または遠隔操作します。

非常に多いメカトロニクス機器

 町中に多数ある自動販売機もメカトロニクス機器の一種です。また、エレベータや生産ライン設備も基本的にはメカトロニクス機器です。

センサの種類

リミットスイッチ

リミットスイッチ

光電センサ

光電センサー

磁気センサ

磁気近接センサー

アクチュエータの種類

モータ

小型DCモータ

小型DCモーターの例(マブチモーター)

AC誘導モータ

AC誘導モーター

ステッピングモータ(パルスモータ)

ステッピング・モーター(パルスモーター)

ソレノイド(電磁石)

ソレノイド(電磁石)

コントローラの種類

リレー回路

リレー回路

マイコン

 近年ではマイコンは小型化が進み性能も格段に向上しています。

マイクロコンピューター(マイコン)

左から1980年代、1990年代、2000年代のマイコン

新しいマイコン

2010年代のArduinoMEGAマイコン基板

プログラムコントローラ(PLC)

 マイコンを利用して簡単にリレー回路の置き換えが出来るように作られた装置です。

プログラム・コントローラー(PLC)の例

一般的にラダー図と呼ばれるリレー回路を模した回路をパソコンソフトで編集してケーブル等を利用してプログラミングを書き込みます。書き込んだ後は基本的にパソコンは必要ありません。

ラダー図の例

ラダー図の例

プログラムコントローラと書き込みのための変換器

プログラム・ロジック・コントローラー(シーケンサー)の外観

ステッピング・モーターとは?

  • コイルに順番に電流を流すと一定の角度だけ回転する(速度が安定)
  • 電源に接続しただけでは回転しない(ドライバー回路が必要)
  • 負荷が大きくなるとカラ回りする(過負荷で使うとダメだが安全性が高い)
  • 高速回転に向かない(低速回転では減速機が不要)
  • 寿命が長い(ベアリングの寿命で決まる)
  • メンテナンスの必要がない(ブラシ交換などが不要)

 ステッピング・モーターは別名パルスモーターとも呼ばれ、複数あるコイルに順番に電流を流すことにより回転する、故障や危険の少ない反面、高速回転に向かず振動が大きいなどの欠点を持つモーターですが、デジタル回路との相性が良いため、プリンターや家電製品、3Dプリンター、小型ロボットなどに数多く使われています。

 ちなみに上の写真のステッピング・モーターは、いらなくなったプリンターを分解して取り出したものです。

 ステッピング・モーターの回転角度はコイルに順番に電流を流した回数に比例し、100パルスないしは200パルスで1回転するものが多いです。

 逆に言えば、1パルス当たり1.8°ないしは3.6°回転することになります。直径6mmのM6のネジのピッチは標準で1mmですので、100パルスで1回転のステッピング・モーターでM6のネジを回転させ、それをM6のナットで受ければ、0.01mm単位で正確に動かすことができ、3Dプリンターなどで、X,Y,Z軸の3方向に動かす機構を簡単に作ることができます。

 また、金属やプラスチックなどを立体的に加工するNC工作機あるいはNCルーターと呼ばれる装置も同様に簡単に実現でき、ステッピング・モーターを3個使った簡易型の3Dプリンターなどでは1万円程度で購入できるものもあります。

ステッピング・モーターを使った安価な3Dプリンターの例
自分で組み立てる3Dプリンター組立キットの例
(銀色で挟まれた黒い四角いのがステッピング・モーター)

ステッピング・モーターの解説

ステッピング・モーターと駆動回路の例

 ステッピング・モーター(パルス・モーター)は、複数のコイルに順番に電流を流すと決まった角度だけ回転するモーターです。

 回転速度はコイルに流す電流の周波数で決まり、マイクロコンピューターとの相性が良く、無理やり止めたりぶつかったりしても故障したりケガしたりすることが少ないため、エアコンの吹出し口の風向きを変える「ルーバー」やインクジェットプリンターの印字ヘッドを左右に動かず「キャリッジ」や紙送り用のモーターとして使われています。

 ステッピング・モーターをロボットや「おもちゃ」に使えば、非常に安全性や信頼性の高いものが実現できます。

 欠点は、高速回転に向かないことや、振動が大きいこと、停止時の位置が不定のため、再起動した時に一旦原点に戻る必要があったりします。

 また、重力の影響を受ける構造のものは、停電すると「保持トルク」が失われ、故障した「ターミネーター」のように崩れ落ちたりします。

ステッピング・モーター駆動回路

 ステッピング・モーターは、複数あるコイルに順番に電流を流さないと回転しないので、直流モーター(マブチモーターなど)や交流モーター(誘導モーターなど)のように電池や電源につないでも回転しないため、駆動回路(モーター・ドライバー)が必要になります。

 モーター・ドライバーはマイクロコンピューターや専用集積回路などで作ることができます。単に回すだけなら数千円、回転角度を制御したい場合は数千円~数万円かかります。

昔のステッピング・モーター用集積回路を使ったモーター・ドライバーの例
PICマイコンとパワーMOS-FETを使ったモーター・ドライバーの例
PICマイコンとトランジスター・アレイを使ったモーター・ドライバーの例
新しいステッピング・モーター駆動用集積回路を使ったモーター・ドライバーの例

ステッピング・モーター駆動の動画があります

ステッピングモーター(パルスモーター)を動かしているところ