「アクチュエーター」カテゴリーアーカイブ

空圧機器に使われる部品

(空気圧機器)

エア・シリンダー

 空気圧を直線運動に変換する装置。

エアーシリンダーの例

エア・ユニット

 空気圧を調節しゴミを取り除いて給油する装置。

エアーユニットの例

エア・ポート(電磁弁)

 電気で圧縮空気を送ったり止めたりする弁。

電磁弁
(ソレノイドバルブ)

スピード・コントローラ

 空気の流量を調節する装置。

調整弁 (スピードコントローラー)

エア・コンプレッサ

 圧縮空気を作り出す装置。

メカトロニクスの構成

 メカトロニクスは、メカニカルとエレクトロニクスを合成した和製英語で、センサーから得た信号を、コントローラーで計算したり判断したりして、アクチュエーターでメカニズムを動かすという仕組みになっていて、基本的に電気で動きます。

メカトロニクス機器の例

メカトロニクスと人間を比較すると

 メカトロニクスは、直訳すれば「電子機械」ですから、その究極の目的は人間の代わり、つまり「自動化」です。人間の代わりですから、その構成は人間に例えられます。

メカトロニクスを人間に例えると

 人間は、五感(視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚)で情報を得て、その情報を脳で過去の記憶や本能で判断し、筋肉を動かして行動します。

 つまり、五感=センサー、脳=コントローラー、筋肉=アクチュエーターと、メカトロニクスの基本構成と同じになります。

 そう考えると、人間は非常に優秀で、高性能なセンサー、高性能なコントローラー、高性能なアクチュエーターを備えています。それぞれ見てみると、

  • 5億7600万画素の視覚センサー
  • 20~2万ヘルツの1000万倍の強度の音を捉える聴覚センサー
  • 他の哺乳類に劣らない嗅覚センサー(犬よりもチョコレートの匂いに敏感)
  • 他の肉食動物と比較にならない1万近くの味覚センサー(草食動物は多い)
  • 13ナノメートルの凸凹を感知できる触覚センサー(スマホの1万倍)
  • スーパーコンピューター「京」の2400倍の処理能力を持つ知能
  • 1ペタバイト(約1125兆バイト)の記憶容量を持つ脳(HD動画数十年分)
  • モーターよりずっと小型軽量でエネルギー効率の良い筋肉

メカトロニクスは極めて性能の悪い自動化方法

 そう考えると、メカトロニクスで実現されるロボットは人間とは比較にならない低性能なものになりますが、人間には実現できない利点がいくつかあります。

  • 人間には不可能な大きさや重量のものを扱える
  • 計算そのものは超高速で間違いもない
  • 百万分の一以下の時間で簡単な判断が可能
  • 24時間365日働ける
  • 食事が必要ない
  • トイレに行く必要がない
  • 文句を言わない
  • 生体ウイルスに感染しない(コンピューターウイルスは感染の可能性あり)
  • 仕事内容によっては人間よりお金がかからない
  • お金を出せば確実に雇える(中小企業にはココ重要!)

メカトロニクスの要素

3相誘導電動機を動かす

 三相交流で三相電動機(3相モーター)を動かすには、下の図の「スター結線」か「デルタ結線」で配線します。大型のモーターでは起動時のラッシュ電流を防止するために最初は「スター結線」で、時間が経ってから「デルタ結線」に配線する「スター・デルタ起動方式」が用いられることが多いです。

 スター結線からデルタ結線に配線を切り替えるには、電磁接触器(マグネチック・コンタクター)が使われます。マグネチック・コンタクターは、リレーの大きいものです。

スター結線
デルタ結線(Δ結線)

ステッピング・モーター駆動原理

 ステッピング・モーターには大きく分けて、電流を片方向にしか流さない「ユニポーラ」と、電流を双方向に流す「バイポーラ」の2種類あります。

 一般的にバイポーラは回路が複雑になりますが、効率が良く、バイポーラは回路は簡単ですが効率が悪いのですが、ステッピング・モーターを直接つなげるステッピング・モーター用ICの普及により、徐々にバイポーラが使われることが多くなってきました。

2相ユニポーラ型ステッピング・モーターの例(電線が5~6本)
2相バイポーラ型ステッピング・モーター(電線が4本)
2相ステッピング・モーターの図記号(バイポーラ型)
2相ステッピング・モーターの駆動原理(半分だけ)
トランジスターを使った2相バイポーラ型ステッピング・モーター駆動回路(半分だけ)

 2相ユニポーラ型ステッピング・モーターの駆動回路は、モーターのコイルに電流を両方向に流さないとならないので、回路が複雑になります。

 4個のトランジスタがアルファベットのHの形に見えるため「Hブリッジ」または「フル・ブリッジ」と呼ばれます。

Hブリッジがショートして壊れる理屈

 また、Hブリッジは正しく制御しないとトランジスターがショートして壊れるため、ソフトウェアでタイミングを作るのはおすすめできません。

 ちなみにHブリッジの半分のトランジスタ2個だけの回路は「ハーフ・ブリッジ」と呼ばれます。

2相ユニポーラステッピング・モーターの駆動原理

 ユニポーラ型ステッピング・モーターの駆動回路は、電流を片方向にだけ流せば良いので、バイポーラ型のようなHブリッジは必要なく、コイルの数と同じだけのトランジスターがあれば可能です。具体的には次の図のような駆動回路になります。

2相ユニポーラ形ステッピング・モーターの駆動回路例

ステッピング・モーターの駆動回路の写真はこちら

ステッピング・モーターとは?

  • コイルに順番に電流を流すと一定の角度だけ回転する(速度が安定)
  • 電源に接続しただけでは回転しない(ドライバー回路が必要)
  • 負荷が大きくなるとカラ回りする(過負荷で使うとダメだが安全性が高い)
  • 高速回転に向かない(低速回転では減速機が不要)
  • 寿命が長い(ベアリングの寿命で決まる)
  • メンテナンスの必要がない(ブラシ交換などが不要)

 ステッピング・モーターは別名パルスモーターとも呼ばれ、複数あるコイルに順番に電流を流すことにより回転する、故障や危険の少ない反面、高速回転に向かず振動が大きいなどの欠点を持つモーターですが、デジタル回路との相性が良いため、プリンターや家電製品、3Dプリンター、小型ロボットなどに数多く使われています。

 ちなみに上の写真のステッピング・モーターは、いらなくなったプリンターを分解して取り出したものです。

 ステッピング・モーターの回転角度はコイルに順番に電流を流した回数に比例し、100パルスないしは200パルスで1回転するものが多いです。

 逆に言えば、1パルス当たり1.8°ないしは3.6°回転することになります。直径6mmのM6のネジのピッチは標準で1mmですので、100パルスで1回転のステッピング・モーターでM6のネジを回転させ、それをM6のナットで受ければ、0.01mm単位で正確に動かすことができ、3Dプリンターなどで、X,Y,Z軸の3方向に動かす機構を簡単に作ることができます。

 また、金属やプラスチックなどを立体的に加工するNC工作機あるいはNCルーターと呼ばれる装置も同様に簡単に実現でき、ステッピング・モーターを3個使った簡易型の3Dプリンターなどでは1万円程度で購入できるものもあります。

ステッピング・モーターを使った安価な3Dプリンターの例
自分で組み立てる3Dプリンター組立キットの例
(銀色で挟まれた黒い四角いのがステッピング・モーター)

ステッピング・モーターの解説

ステッピング・モーターと駆動回路の例

 ステッピング・モーター(パルス・モーター)は、複数のコイルに順番に電流を流すと決まった角度だけ回転するモーターです。

 回転速度はコイルに流す電流の周波数で決まり、マイクロコンピューターとの相性が良く、無理やり止めたりぶつかったりしても故障したりケガしたりすることが少ないため、エアコンの吹出し口の風向きを変える「ルーバー」やインクジェットプリンターの印字ヘッドを左右に動かず「キャリッジ」や紙送り用のモーターとして使われています。

 ステッピング・モーターをロボットや「おもちゃ」に使えば、非常に安全性や信頼性の高いものが実現できます。

 欠点は、高速回転に向かないことや、振動が大きいこと、停止時の位置が不定のため、再起動した時に一旦原点に戻る必要があったりします。

 また、重力の影響を受ける構造のものは、停電すると「保持トルク」が失われ、故障した「ターミネーター」のように崩れ落ちたりします。

ステッピング・モーター駆動回路

 ステッピング・モーターは、複数あるコイルに順番に電流を流さないと回転しないので、直流モーター(マブチモーターなど)や交流モーター(誘導モーターなど)のように電池や電源につないでも回転しないため、駆動回路(モーター・ドライバー)が必要になります。

 モーター・ドライバーはマイクロコンピューターや専用集積回路などで作ることができます。単に回すだけなら数千円、回転角度を制御したい場合は数千円~数万円かかります。

昔のステッピング・モーター用集積回路を使ったモーター・ドライバーの例
PICマイコンとパワーMOS-FETを使ったモーター・ドライバーの例
PICマイコンとトランジスター・アレイを使ったモーター・ドライバーの例
新しいステッピング・モーター駆動用集積回路を使ったモーター・ドライバーの例

ステッピング・モーター駆動の動画があります

ステッピングモーター(パルスモーター)を動かしているところ

アクチュエーターとは? (2)

AC(誘導)モーター

 交流で回転するモーターで、大きなパワーのものも作られています。基本的に周波数に比例した速度で回転するため、速度を変えるのは難しく、負荷によって速度が変わったりするので、動力としては優れている反面、とっても制御しにくいモーターです。

 昔はエレベーターやエスカレーターなどにも使われていましたが、バリアフリー化の要請もあって速度を任意に変えられるACサーボモーターに急速に置き換わりつつあります。

 とは言え、安い掃除機や洗濯機などには現在も使われていて、製造販売している重電メーカーも多いです。

ACモーターの画像です
AC誘導モーター(AC Induction Motor):交流を回転力に変える

リニアアクチュエーター

 直線(リニア)運動をするアクチュエーターで中身はモーターです。回転動力を内部の台形ネジとナットで直線運動に変換し、その減速効果で大きなパワーを得られ、下の写真のもので移動距離(ストローク)850mm、最大荷重40kg、最高速度400mm毎秒と思ったより速く動きます。

 これを見た私の教え子は「ガンダム」や「サンダーバード」に登場する発射台(カタパルト)みたいだと言っていました。

 ※危険なので決して乗らないでください。

リニアアクチュエーターの画像です
リニアアクチュエーター:素早く移動距離の長い直線運動ができる

アクチュエーターとは?

 アクチュエータ(actuator)とは、actuate(作動させる)+er(もの)で、エネルギーまたは電気信号を実際の物理的な動力に変換するものです。もっとも多く使われるものはモーターあるいは電磁石(ソレノイド)で、圧電素子やヒーターを含む場合があります。

 これらのアクチュエータはマイクロ・コンピューターあるいはシーケンサー、メーカーによってはプログラム・ロジック・コントローラー (PLC)と呼ばれる制御装置でコントロールされ、近年では自動制御を実現するアイテムとして多く利用されています。

DCモーター

DCギヤードモーター(アクチュエーターの一種):電力を回転運動に変える

 上の写真はアクチュエーターとして一番多く利用される「モーター」または日本語で「電動機」と呼ばれるもので、自動車、ロボット、産業用機械などにつかわれています。

電磁石(ソレノイド)

ソレノイド(電磁石):電力を直線運動に変換する

 上の写真はアクチュエーターとしてモーターの次に多く使われるソレノイド(電磁石)で、電流をコイル(電磁石)に流して発生する磁力で磁性体(鉄)でできたアーマチュア(左側の丸い鉄心)を引き付けて直線運動に変換するものです。

 電流の強さで引っ張るパワーを変えられなくもありませんが、あまり細かい動きはできず、電磁ロックの解除や洗濯機の水を出したり止めたりする電磁バルブ(電磁弁)や、昔コンピューターで使われていた「フロッピーディスクドライブ」で磁気ヘッドをディスクに接触させたり離したりするのに使われたり、次の写真のソレノイドバルブ(電磁弁)として、空気圧をオン/オフするのに使われています。

 フロッピーディスクドライブでわかるように作動時に「カチカチ」とか「ガチャガチャ」とか「バシンバシン」と音がしたり、振動が大きかったりしますが、停電すると自力で維持できずに、洗濯機で水が出たままになるなどの問題を起こさない利点があります。

 お化け屋敷などでシューと空気を噴き出して驚かせたり、エアーモーターと呼ばれる空気圧で回転するアクチュエーターにも使われます。

ソレノイドバルブ(電磁弁):空気圧を出したり止めたりする

エアーシリンダー

 ソレノイドバルブ(電磁弁)でコントロールされた圧縮空気を出し入れすることにより直線運動するアクチュエーターです。

エアーシリンダー:エアー(空気圧)で左側の棒(ロッド)が出たり入ったりする

 空気圧で動くので「注射器」の管をふさいだ状態のように柔らかく動くのが特徴で、壊れやすいものをつかむ「マニピュレーター」などとしてロボットに使われたり、食品関係の製造機械などに使われる。

 あとで説明する「油圧シリンダー」のような大きなパワーは出せませんが、オイル漏れなどを起こすと大変なことになる油圧と違い、たとえ漏れても「空気」なので食品や人体に与える害がほとんどないのも利点です。

 また、下の写真のようなスピードコントローラーで空気を絞ることによりスピードやパワーをその場で簡単に調整できるため、実験装置や現場で調整を必要とする食品関係の機械に向いています。

 欠点としては、圧縮空気を作るための「コンプレッサー」と呼ばれる大きな装置が必要だったり、空気中に含まれる水分でソレノイドバルブやシリンダー内部が錆びたりするのを防ぐためのフィルターや、エアーシリンダーをスムーズに動かし続けるために油を圧縮空気と共に送り出す、「ドライヤー」、「レギュレーター」、「ルブリケーター」などの機器が必要でお金がかかるのと、コンプレッサーの作動音や排気音がするなどの問題があります。

フィルター&ルブリケーター&レギュレーター:圧縮空気を整える
スピードコントローラー:圧縮空気の量を調整する

油圧シリンダー

 残念ながら写真はないのですが、パワーショベルカーなどの建設機械や油圧式エレベーターなどに使われています。大きなパワーを出せるのが特長ですが、動作速度が遅めで、油圧ポンプや油圧ソレノイドバルブなどの大型で高価な装置が必要で、最近は油圧式エレベーターは姿を消しつつあります。

 我が家のマンションの油圧式エレベーターも2018年にモーターを使ったロープ式に付け替えたところ、動きが目に見えて早くなりました。

ステッピングモーター(パルスモーター)

 複数個の電磁石(コイル)に順番に電流を印加することによって回転するモーターです。DCモーターやACモーターと違い、負荷によって故障することが少ないため、また、磁力だけで回転しているため無理な負荷が加わると空回りするため、安全性も高く、プリンターのヘッドを左右に動かしたり、紙送りをしたり、エアコンなどの吹き出し口の風の向きを変えたり(ルーバー)するのに使われていて、子供が手を突っ込んでもケガしにくいなどの特長を持っています。

 また、回転角度がパルス数に比例するため、簡単な回路で位置決めできるなど、マイコンとの相性の良いアクチュエーターです。

ステッピングモーター(大型):安全性が高く回転位置を簡単に制御できる
ステッピングモーター(中型)
ステッピングモーター(中型)

リニアアクチュエータの使い方

 リニアアクチュエータは、直線往復運動をするメカニズムです。意味は違いますがリニアモーターとも呼ばれています。

 ここで紹介するリニアアクチュエータはオリエンタルモーター製のストローク850mmで40kgまでの物を最高400mm/secで移動できる装置です。

 しかし、このリニアアクチュエータを使ってみて、問題が発生しました。パソコンとケーブルでつないで専用ソフトで操作すると動くのですが、シーケンサーとつないで制御するとまったく動きません。

 専用ソフトで入力信号を見てみると、入力信号を認識していません。テスターを使って入力端子を調べてみると、そこには電圧がありません。

 結果から先に言いますと、この装置は「有電圧入力」でした。つまり外部から電圧を加えないと動作しないのです。

 これは、テスターの抵抗レンジで測ってみてわかりました。電圧が0Vなので、抵抗を測ってみると、一方は無限大で、逆方向は真ん中程度の値を示します。

テスターの使い方

 つまり、中にダイオードが入っていることになります。ダイオードの正体は発光ダイオードつまりLEDです。普通のダイオードも直列に入っている可能性があります。

 このダイオードの正体は、入力信号を電気的に絶縁して回路を保護するフォトカプラです。ふつうは内部から電源が供給されていて、入力端子とアース(GND)の間を接続すると作動するのですが、この装置では外部に電源を用意して、入力端子に電圧を供給しなくてはなりません。

 ここでひとつ問題が発生しました。使おうとしていたシーケンサーはトランジスタ出力のため、電流をアースに引き込むこと(シンク)は可能でも、電流を外部に供給すること(ソース)は不可能です。

 そこでとりあえずリレー出力のシーケンサーがあったので、それを使うことで無事に動作しましたが、トランジスタ出力のシーケンサーしかない場合は、そのままでは使えません。

トランジスタ出力のシーケンサー(PLC)三菱電機FX1S-20MT

 そんなときは、リニアアクチュエータやシーケンサーの中にも使われているLEDとフォトトランジスタで電気的に絶縁する電子部品「フォトカプラ」を使えば、トランジスタ出力のシーケンサーでも動かすことができるはずです。

シーケンサーの選び方と使い方

 このようにメカトロニクスでは、制御回路や電気回路の知識の他に電子回路の知識が必要なことが多く発生します。

自動機械の製作は知り合いの「河政工業株式会社」へ