制御回路実習(1)

 進級おめでとうございます。これから1年間にわたって、皆さんには制御回路実習を学んでいただきます。しばらくの間、オンライン実習になりますが、気を落とさずに頑張ってください。

制御回路実習の内容

 まず、制御回路実習の内容ですが、ロボットや自動機械を動かすために必要なメカトロニクス技術の中で、特に「制御回路」について、実習を通して学んで行きます。

制御回路って何?

 ロボットや自動機械の制御回路は、「マイクロコンピューター」や「プログラム・ロジック・コントローラー」と呼ばれる制御装置が多く使われています。

マイクロコンピューターの例
プログラム・ロジック・コントローラーの例

マイクロコンピューターを使った制御回路

 マイクロコンピューターは略して「マイコン」とも呼ばれ、安いものでは百円程度、高いものでは10万円程度します。処理が速く、小型軽量で、大量生産に向きますが、プログラムを作るのが難しく、大量生産する家電製品や、高性能な制御装置を必要とするロボットや、安く作らないといけない「おもちゃ」などに使われます。また、マイクロコンピューター単体では使えず、マイクロコンピューターを中心とした回路を組まなくてはなりません。

 マイクロコンピューターを制御装置として使えるようにする回路は、試作品などでは「ユニバーサル基板」と呼ばれる材料と電子部品を使って、自分でハンダ付けして作ります。

制御回路試作品の例

 また、量産時には、「プリント基板」と呼ばれる、銅箔であらかじめ配線された基板に「自動ハンダ付け装置」などを使って電子部品をハンダ付けして組み立てます。

低価格なマイクロコンピューター(Arduino nano互換機)
マイクロコンピューターを使った制御回路の例

マイクロコンピューターを使った制御回路の開発手順

 マイクロコンピューターを使った制御回路の開発は、一般的に次のような手順で行われます。

  • マイクロコンピューターを選ぶ
  • ユニバーサル基板を使ってはんだ付けして制御回路基板を作る
  • 制御回路基板を配線する
  • マイクロコンピューターのプログラムを作る
  • 動作試験を繰り返しながらプログラムを修正する
  • (試作した回路を元にプリント基板を設計する)
  • (プリント基板に電子部品を実装する)
  • (実装済プリント基板にプログラムを書き込む)
  • (プログラムを書き込んだ制御回路基板を検査する)
  • (制御回路基板を機械に組み込んで配線する)
  • (制御回路基板を組み込んだ機械を検査する)

 かっこ付きの手順は、「電子機器」の知識と技術が必要なため、機械技術者が直接実施することは少ないです。

プログラム・ロジック・コントローラーを使った制御回路

プログラム・ロジック・コントローラーを使った制御回路の例

 プログラム・ロジック・コントローラーを使った制御回路の開発はマイクロコンピューターよりもずっと簡単です。プログラム・ロジック・コントローラーにはマイクロコンピューターが使われているのですが、プリント基板の実装や内部の配線は既に済んでいます。

プログラム・ロジック・コントローラーの内部(中段の基板がマイクロコンピューター)

 そこで、プログラム・ロジック・コントローラーを使って機械の制御装置を作る手順は次のようになります。

  • プログラム・ロジック・コントローラーを選ぶ
  • プログラム・ロジック・コントローラーを取り付ける
  • プログラム・ロジック・コントローラーを配線する
  • プログラム・ロジック・コントローラーにプログラムを書き込む

 これで、プログラム・ロジック・コントローラーを使った制御装置は開発できてしまいます。しかも、プログラム・ロジック・コントローラーのプログラム開発はマイクロコンピューターのプログラム開発よりも、ずっと簡単に作ることができます。

マイクロコンピューターのプログラム開発の例

 マイクロコンピューターのプログラムは近年ではC言語と呼ばれるプログラムの書き方の決まりを守って作ります。そのプログラムを本格的に作れるようになるには、コンピューター専門学校などに2年ほど通って、やっとできるようになります。ただし、C言語プログラムを本格的に作れれば、パソコンやスマートフォンのアプリなども作れますし、少し勉強すればGoogleが提供しているようなサービスを自分で始めることもできます。

C言語によるプログラムの例

プログラム・ロジック・コントローラーのプログラムの例

 プログラム・ロジック・コントローラーのプログラムはマイクロコンピューターのプログラムよりもずっと簡単で、パソコンソフトで4つほどのアイコンをクリックして数字を入力し、線で結ぶだけです。

プログラム・ロジック・コントローラーのプログラムの例

 このようにプログラム・ロジック・コントローラー(PLC)は簡単に使えるため、正確に調査したわけではありませんが、ロボットや自動機械の90%以上はプログラム・ロジック・コントローラーが使われていると思います。

制御回路実習の今後の流れ

 制御回路は、このようにマイクロコンピューター(マイコン)またはPLCを使って実現できますが、実際に制御回路を作れるようになるためには、他にも知っておかないといけない知識や技術があります。

 制御回路実習では、次のような制御回路を作れるようになるために必要な知識と技術を実習(しばらくは出来ないかも知れませんが)を通して身に付けていただく予定です。

  • 電気の基本を学ぶ(電圧、電流、電力、周波数、テスターの使い方など)
  • 制御回路で動かす「アクチュエーター」を知る
  • 制御回路を自動化する「センサー」を知る
  • ハンダ付けや配線などの実技を身に付ける
  • プログラム・ロジック・コントローラー(PLC)を使ってみる
  • マイクロコンピューター(マイコン)のプログラムを作ってみる
  • 電子部品について学習する
  • 実際に機械の制御をしてみる
間違えても安全なプログラム・ロジック・コントローラー実験装置
メカトロニクス機器の例
3Dプリンターを自分で組み立てる
3軸NC加工機の製作例
掃除しない掃除ロボット
実習用ロボットアーム
プログラム・ロジック・コントローラー実習
アクチュエーター実習
アーケードゲームのようなもので実習(手振れ注意)
パチンコのようなもので実習(手振れ注意)

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